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紀元前551年、春秋時代の教育家であり、思想家、哲学者でもある孔子は、中国では「至聖先師」と尊称されており、孔子廟では「大成至聖先師孔子」の位牌を祀ることによって、孔子の崇高な地位を崇め、数千年にわたって儒家の思想を伝えています。

孔子は質素を旨としたことから、孔子廟は普通の廟宇とは違うところがあります。建築は質朴で、門前に石でできた獅子の像もなく、柱や門には文字がありません。これは、文筆では孔子にはかなわないという気持ちの表れだそうです。

孔子廟では、孔子の誕生日である9月28日に、孔子を祭る大典が執り行われます。この儀式で最も代表的なのは、宮廷衣装を着た人たちによる伝統の雅楽と踊りの奉納です。そして、この大典が終わった後、お待ちかねの「知恵の餅」が配られます。お供え物は、昔は豚、牛、羊でしたが、今はもち米で作った「知恵の餅」です。この餅は孔子からの祝福で、試験にご利益があると考えられているため、「知恵の餅」を持ち帰るために、受験生のいる両親の多くがこの儀式の参観に訪れ、にぎやかな光景が展開されます。