TAIPEI 2016夏季号 Vol.04—台湾にある「グリーンの奇跡」台北101 国際環境認証「LEED v4」に挑戦発表日：2016-07-12
更新日：2016-09-23
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文 ＿ 張煥鵬
写真 ＿ 台北101
1. 台北101 ビルは世界的に高く評価されている環境配慮型のビルです。（写真／台北101 ビル 陳政偉）
台北101 の89 階にある展望台に立てば、二層のガラスを隔てた向こうに街全体の景観を望むことができます。たくさんの人々がここへ登って台北の夜景を楽しんでいますが、このビルが世界で最も高い“ グリーンビルディング” であり、省エネと環境保護に対するさまざまな工夫が隠されていることを知る人は多くはありません。
「外壁の二層になっているガラスの間には、不活性ガスという特殊な気体を流し込んであります。この気体によって効率的に熱を遮断し、空調の負担を減らすことができます」台北101 の劉家豪広報担当はこう語ります。このビルを設計する際、多くの革新的な建築技術だけでなく環境保護や省エネのアイデアも重要なポイントとして取り入れられました。
世界で最も高い
グリーンビルディング
台北101 は世界的に知られたランドマークで、環境に配慮した超高層ビルとしても国際的に認められています。2011年、台北101 は環境にやさしいグリーンビルディングの国際基準「LEED（Leadership inEnergy and Environmental Design）」のプラチナクラス認証を取得し、世界で最も高いグリーンビルディングと認められました。今年はさらに厳しい基準の「LEED v4」認証の取得に挑戦し、世界的にもこの種の建築物の新たなモデルとなるべく取り組んでいます。このビルはグリーンビルディングの国際認証だけでなく、環境情報のニュースサイト「グリーン・ビズ（Greenbiz.com）」によって「世界のエコオフィストップ10」にも選ばれています。
台北101の環境保護に対する思いは、さまざまなデザインから感じ取ることができます。例えば「再生水システム」で雨水を集めて再利用したり、給湯室やトイレで蛇口を節水効果のあるシャワー式に取り換えたりしています。劉広報担当によれば集められた雨水はすべて同ビルの植物への水やりに使われ、これによって毎年かなりの水量を節約することができるそうです。このほかにも照明システム、エネルギー管理制御システム、ごみ運送と減量システムなど、いずれも台北101 の省エネと環境保護に対する投資となっています。
「ハードウェアへの投資は数千万台湾ドルにのぼりましたが、長期的に見れば膨大な水道代と電気代を節約することが可能となるほか、省エネや二酸化炭素（CO2）排出量削減にも役立ちます。これは非常に価値のある投資です」劉広報担当はこう話します。台北101 はまたテナント各社に環境保護の取り組みへの参加を呼びかけ、再生紙の使用や使い捨て食器の撤廃を奨励し、「地球を大切に」というスローガンを実際の行動に移しています。テナント各社との努力の下、台北101 の資源回収率は75％に達しています。
2. 台北101 ビルはオフィスビルのロビーにグリーンビルディングを紹介する「グリーンコーナー」を設けています。（写真／台北101 ビル）
環境保護は企業の責任
台北101 は実際の取り組みで環境保護に関するさまざまなイベントを応援し、企業の社会的責任を果たしています。例えば2009 年には「アースアワー」（3 月の最終土曜日の夜8 時半から9 時半の1時間、電気を使わないイベント）に参加し、世界各地の有名なランドマークと共に外壁の照明を消しました。劉広報担当は、台北101 は国際的な知名度とブランドイメージを喜んで利用して公益活動に参加しており、このビルが率先して行動する姿をより多くの人々が見て、環境保護に関する活動に参加してくれることを願っていると語りました。
また台北101 は台湾電力と「空調システム自動デマンドレスポンス措置」を締結した最初のビルです。これは電力使用量を減らして電力を生み出すというコンセプトで、コンピューターによるスマートモニタリングシステムによって電力使用のピークタイムに効果的に使用量を抑えることができます。これにより省エネとCO2 削減という目標を達成し、環境保護という企業理念を実現しています。
このほか、台北101 は経済部の「自発的グリーン電気料金制度試行計画」に参加し、グリーン電力の使用を環境保護の出発点としています。グリーン電力の買取料金は1 キロワットアワー（kWh）あたり1.06 台湾ドル増しで、台北101は101 万kWh のグリーン電気を購入しています。電気料金は台湾電力の「再生エネルギー発展基金」に用いられ、台湾の再生可能エネルギー発展の支持につながっています。
地球の環境保護に対する積極的な取り組みとしては、まず周辺環境の保護を推進しています。中強公園の保全を行ったり、オフィスビルのロビーにグリーンビルディングを紹介する「グリーンコーナー」を設け無料のガイドサービス「グリーンツアー」を実施したりしています。台北101 の取り組みを伝え、地球に優しい暮らしを確実にこの街に根づかせることが目的です。今年夏には「持続可能な環境保全」をテーマとしたコンサートを開催する予定です。台北101は音楽を通じて環境保護の理念を伝え、さらに多くの人がこの地球を守るために行動してくれることを願っています。
写真 ＿ 台北101
1. 台北101 ビルは世界的に高く評価されている環境配慮型のビルです。（写真／台北101 ビル 陳政偉）
台北101 の89 階にある展望台に立てば、二層のガラスを隔てた向こうに街全体の景観を望むことができます。たくさんの人々がここへ登って台北の夜景を楽しんでいますが、このビルが世界で最も高い“ グリーンビルディング” であり、省エネと環境保護に対するさまざまな工夫が隠されていることを知る人は多くはありません。
「外壁の二層になっているガラスの間には、不活性ガスという特殊な気体を流し込んであります。この気体によって効率的に熱を遮断し、空調の負担を減らすことができます」台北101 の劉家豪広報担当はこう語ります。このビルを設計する際、多くの革新的な建築技術だけでなく環境保護や省エネのアイデアも重要なポイントとして取り入れられました。
世界で最も高い
グリーンビルディング
台北101 は世界的に知られたランドマークで、環境に配慮した超高層ビルとしても国際的に認められています。2011年、台北101 は環境にやさしいグリーンビルディングの国際基準「LEED（Leadership inEnergy and Environmental Design）」のプラチナクラス認証を取得し、世界で最も高いグリーンビルディングと認められました。今年はさらに厳しい基準の「LEED v4」認証の取得に挑戦し、世界的にもこの種の建築物の新たなモデルとなるべく取り組んでいます。このビルはグリーンビルディングの国際認証だけでなく、環境情報のニュースサイト「グリーン・ビズ（Greenbiz.com）」によって「世界のエコオフィストップ10」にも選ばれています。
台北101の環境保護に対する思いは、さまざまなデザインから感じ取ることができます。例えば「再生水システム」で雨水を集めて再利用したり、給湯室やトイレで蛇口を節水効果のあるシャワー式に取り換えたりしています。劉広報担当によれば集められた雨水はすべて同ビルの植物への水やりに使われ、これによって毎年かなりの水量を節約することができるそうです。このほかにも照明システム、エネルギー管理制御システム、ごみ運送と減量システムなど、いずれも台北101 の省エネと環境保護に対する投資となっています。
「ハードウェアへの投資は数千万台湾ドルにのぼりましたが、長期的に見れば膨大な水道代と電気代を節約することが可能となるほか、省エネや二酸化炭素（CO2）排出量削減にも役立ちます。これは非常に価値のある投資です」劉広報担当はこう話します。台北101 はまたテナント各社に環境保護の取り組みへの参加を呼びかけ、再生紙の使用や使い捨て食器の撤廃を奨励し、「地球を大切に」というスローガンを実際の行動に移しています。テナント各社との努力の下、台北101 の資源回収率は75％に達しています。
2. 台北101 ビルはオフィスビルのロビーにグリーンビルディングを紹介する「グリーンコーナー」を設けています。（写真／台北101 ビル）
環境保護は企業の責任
台北101 は実際の取り組みで環境保護に関するさまざまなイベントを応援し、企業の社会的責任を果たしています。例えば2009 年には「アースアワー」（3 月の最終土曜日の夜8 時半から9 時半の1時間、電気を使わないイベント）に参加し、世界各地の有名なランドマークと共に外壁の照明を消しました。劉広報担当は、台北101 は国際的な知名度とブランドイメージを喜んで利用して公益活動に参加しており、このビルが率先して行動する姿をより多くの人々が見て、環境保護に関する活動に参加してくれることを願っていると語りました。
また台北101 は台湾電力と「空調システム自動デマンドレスポンス措置」を締結した最初のビルです。これは電力使用量を減らして電力を生み出すというコンセプトで、コンピューターによるスマートモニタリングシステムによって電力使用のピークタイムに効果的に使用量を抑えることができます。これにより省エネとCO2 削減という目標を達成し、環境保護という企業理念を実現しています。
このほか、台北101 は経済部の「自発的グリーン電気料金制度試行計画」に参加し、グリーン電力の使用を環境保護の出発点としています。グリーン電力の買取料金は1 キロワットアワー（kWh）あたり1.06 台湾ドル増しで、台北101は101 万kWh のグリーン電気を購入しています。電気料金は台湾電力の「再生エネルギー発展基金」に用いられ、台湾の再生可能エネルギー発展の支持につながっています。
地球の環境保護に対する積極的な取り組みとしては、まず周辺環境の保護を推進しています。中強公園の保全を行ったり、オフィスビルのロビーにグリーンビルディングを紹介する「グリーンコーナー」を設け無料のガイドサービス「グリーンツアー」を実施したりしています。台北101 の取り組みを伝え、地球に優しい暮らしを確実にこの街に根づかせることが目的です。今年夏には「持続可能な環境保全」をテーマとしたコンサートを開催する予定です。台北101は音楽を通じて環境保護の理念を伝え、さらに多くの人がこの地球を守るために行動してくれることを願っています。
