発表日:2018-03-16
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北投の「少帥禅園」で
張学良をしのぶ
文 _ 鍾文萍 写真 _ 楊智仁
▲張学良が一時期を過ごした「幽雅招待所」を改築した温泉レストラン「少帥禅園」は行楽客に人気のスポットとなっています。(写真/楊智仁)
張学良はかつて、北投で2年を過ごしました。この「幽雅招待所」は、今では温泉レストラン「少帥禅園」に生まれ変わり、台湾と中国の人々がお互いの国を旅行する新しい時代を迎え、台湾、中国、香港の観光客に人気の観光スポットとなっています。ここを訪れる行楽客が、このレストランで張と趙一荻(張学良の妻)が愛したエビ、フウセイ、山菜などさまざまな珍味を味わいたいと思っていると知ったら、本人は大笑いするでしょうか、あるいは張が晩年過去を語った時のように、沈んだ口調で「(軟禁され)半世紀自由が失われたのは当然のことだ」と嘆いたでしょうか。
▲「少帥私房コース」は海鮮と地元の食材を合わせた素材の味わいと新鮮さを楽しめるメニューです。(写真/楊智仁)
西安事件(1936年に起こった蒋介石監禁事件)の首謀者であった張学良は、中華民国初期の軍閥・奉天派の「大帥」(総帥)張作霖の息子であったため「少帥」と呼ばれました。第二次世界大戦後、国民政府とともに台湾に渡った張は、1946年にまず新竹県五峰郷桃山村に軟禁されます。1959年になると、北投の復興三路に建設された住居が完成するまでの2年間、日本統治時代の温泉宿「新高旅社」であった「幽雅招待所」で過ごしました。張学良に対する評価を下すことは難しいですが、住居はまさに絶好のものでした。政府が逃亡を恐れたため、急斜面や谷間に囲まれた場所が選ばれたのです。上品で風流な御曹司として育った張学良にとって、終わりの見えない幽閉生活の中で美食だけが残された唯一の楽しみだったのかもしれません。
張学良が愛した味を楽しもう当時、張作霖の家には中国南北から優秀な料理人が集まり、400種類以上もの各地のごちそうを作ることができました。その中で張学良の美食家でありながら好き嫌いのない味覚が育ったのでしょう。生涯にわたりエビが大好物でした。料理人たちは1928年から、毎日栄養のバランスを考えて夜食を作り、エビの揚げ物やエビのぶつ切りなどをよく主菜にしました。また張学良が軟禁されていた場所は山の中で、時には住民が行き来することもありました。人々がくれる山菜など野性味あふれる味わいも好んで食べ、どんな調理方法も受け入れたそうです。あるいはこのようなこだわらない食生活が、一生さすらい続けたにもかかわらず101歳まで長生きした理由なのかもしれません。
▲張学良が使った居間を完全な状態で保存し、一般開放しています。(写真/楊智仁)
「少帥禅園」が歴史をもとに開発した「少帥」、「大帥」、「四小姐(趙一荻の愛称)」の季節感あふれるコース料理は、歴史がアクセントとなって風味をより豊かにしています。「少帥私房(秘伝)コース」は海鮮と地元の食材に五穀や雑穀など中国・東北地方の主食を合わせたシンプルかつ手の込んだ内容です。張学良とともに幽閉された妻の趙一荻は名家の出身で、西洋文化の影響を強く受けていました。「四小姐コース」は西洋料理の手法で東洋の食材を調理し、さらに張学良が海鮮を好んだことにちなんで魚料理の美味しさを十分に楽しめるメニューとなっています。「大帥私房(秘伝)コース」は張作霖の料理人たちが作った料理を受け継いだものです。例えば「燉虎掌(ブタの前足膝の靭帯の煮込み)」は当時の料理人が得意とした料理のひとつです。また「大帥竹午魚(ミナミコノシロ)」は台湾で採れる魚、ミナミコノシロを骨までさくさくに揚げ、別のミナミコノシロを煮込んで作ったたれをかけた料理です。濃厚なたれと油の旨みが互いに味わいを補い、旨みを引き出しています。
張学良が使った居間は、現在も完全な状態で保存されています。また台湾全土で唯一の「張学良紀念亭」には木製の胸像が置かれ、生涯帰ることができなかった故郷のある北東の方向を望んでいます。ここへ来て歴史の荒波や、張学良と趙一荻の愛、そして「山に幽され、降る雨に意気消失す」と詩にうたった心情に思いを馳せてみるのもよいでしょう。このように、北投の古い建築には数多くの物語があります。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
少帥禅園
北投区幽雅路34号
(02)2893-5336
10:00~21:00(園内のレストラン、日帰り温泉、茶屋の営業時間は異なります。詳細はウェブサイトをご覧ください)
www.sgarden.com.tw
▲温泉レストラン「少帥禅園」は、台湾だけでなく中国や香港の人々にも人気のスポットです。(写真/楊智仁)
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