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台湾人の理想の朝ごはん 台湾風お粥食べ比べ (TAIPEI Quarterly 2018 春季号 Vol.11)

アンカーポイント

発表日:2018-03-19

1.3万

台湾人の理想の朝ごはん

台湾風お粥食べ比べ

 _ 焦桐   写真 _ 楊智仁


▲葉記肉粥のお粥は見た目は素朴ですが、味付けが絶妙です。(写真/楊智仁)

 

大稲埕にある「葉記肉粥」。ここの肉粥は生米から煮上げる「中華粥」でなく、台北のほとんどのお粥店と同じように「湯泡飯」(雑炊)に分類されます。味付けが絶妙で、最も素朴なお粥と言えるでしょう。定番の具材である刻みネギやパクチーは使いません。色合いは薄い褐色で、醤油を加えているのが分かります。具材は千切り大根、とろみスープで煮込んだ肉のつみれ、刻みセロリ、サクラエビがトッピングされています。肉のつみれが3切れも入っているということは、安いからといって手抜きしていない証拠です。スープは骨と大根を煮込んで取ったと分かるダシにシイタケ、油で揚げたエシャロットの風味が漂い、ホッとする味わいです。私はこの店に来たら肉粥の他に、紅糟肉(紅麹に漬けた豚肉)や、カキ、エビ、豆腐や、紅糟アナゴを揚げたものも食べています。豚レバーのフライは見た目こそ良くありませんが、とても柔らかく口当たりなめらかです。紅糟肉のフライもとてもおいしく、大根漬けのスライスが添えられています。
 

北部と南部でこんなに違う台湾風お粥

台湾のお粥は北部と南部で全く異なります。一般的に北部では豚骨、南部では魚の骨でダシを取っています。北部では豚肉をトッピングした肉粥が中心で、おかずに紅糟肉、エビ、カキ、豆腐を揚げたものを売る店が多いです。南部では魚をトッピングした魚粥が中心で、油條(中華風揚げパン)と一緒に食べることが多いです。また、カキは北部でも南部でもよくおかずとして親しまれています。

万華は西昌街にある「老艋舺鹹粥店」は開業して60年以上。この店のお粥は醤油を加えていないため白っぽく、あっさりした感じです。具材には紅糟肉2切れに、油で揚げたエシャロット、豆皮(湯葉)、小白菜(チンゲン菜の一種)、刻みネギのほか、タケノコの千切りがトッピングされることもあり、色合いがきれいです。おかずのうまみたっぷりのカキや厚揚げ、豚皮、紅糟肉のフライもとてもおいしく、特に紅糟肉のフライは色鮮やかで食感は柔らかく、「葉記肉粥」や万華の広州街にある「周記肉粥店」のサクッとした食感のものとは違います。「老艋舺鹹粥店」で紅糟肉のフライを注文すると、お店の人は親切に「脂身が多いのと少ないのとどっちがいい?」と聞いてくれます。

50年以上商いを続けている「周記肉粥店」のお粥はやや小ぶりで、濃い褐色です。具材にはとろみスープで煮込んだ肉のつみれ1個、 油で揚げたエシャロット、サクラエビ、ちぎった厚揚げがトッピングされています。この店はこのあたりで一番人気があり、茹でイカ、脂肪の多い豚レバー、豚のホホ肉などメニュー豊富ですが、お粥の味は「葉記肉粥」や「老艋舺鹹粥店」の方がややおいしいと思います。

台湾風のお粥は理想的な朝ごはんで、台湾人が確立した独自の料理としてうまく世界に発信すべきです。また、延平北路4段と酒泉街の交差点東南側にある「鹹粥」もおすすめです。


▲老艋舺鹹粥店のお粥はあっさりした味で、具材が豊富です。(写真/楊智仁)
 

葉記肉粥

大同区保安街4732号向かい
0916-836-699

 

老艋舺鹹粥店

万華区西昌街117
(02)2361-2257

 

周記肉粥店

万華区広州街104
(02)2302-5588

 

本編は台北市観光伝播局が出版した『味道台北旧城区』(台北下町の味)からの抜粋です。美食を訪ね、美食を追求して10年以上になる作家・焦桐さんが艋舺、大稲埕、大龍峒などのお店を半年近くかけてめぐり、167店を厳選しました。旅人を台北の昔懐かしい味の探索へと誘います。

『味道台北旧城区』(台北下町の味)

焦桐著/定価250台湾元/台湾全土の大手書店でお買い求めください

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