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滝の音と一面の緑に囲まれて─ 鯉魚山・円覚寺環状歩道 (TAIPEI Quarterly 2018 秋季号 Vol.13)

アンカーポイント

発表日:2018-09-12

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滝の音と一面の緑に囲まれて─
 

鯉魚山・円覚寺環状歩道


 

鍾文萍

写真 李智為、台北市大地工程処


TAIPEI 秋季号 2018 Vol.13円覚の滝はその名が示すように、涼しさを感じる一方で、まるで修行しているような気分になります。
 

台湾には山頂がピラミッドのように尖っていることから「三尖」と呼ばれる中央尖山、大覇尖山、達芬尖山がありますが、台北市内湖区には「三尖」のミニチュア版とも言える円覚尖山、鯉魚山、忠勇山があり、「内湖三尖」と呼ばれています。標高は200300メートル余りしかなく、市街地から眺めると山のラインはおだやかで、山頂が見えないこともありますが、照葉樹林に隠れた山頂は高く突き出ていて、稜線がなだらかで変化に乏しい多くの高山よりユニークな山々です。

 

きらきら輝く清流のせせらぎ

円覚寺歩道と鯉魚山歩道から成る環状の登山道は「内湖三尖」の一般登山道で、全長2.8キロメートルです。MRT大湖公園駅から大湖山荘街を進み、大溝渓親水公園の脇を通って葉氏祖廟まで来ると円覚寺歩道の登山口が見えてきます。

円覚寺歩道の前半は大溝渓に沿って、なだらかな道を歩きます。岩と岩の間を小さな滝となって流れる水のせせらぎを見ていると、それだけで涼しく感じます。基隆河の支流である大溝渓は水が澄んでいるため魚やエビ、水生昆虫など多種多様な生き物が棲んでいて、夏の季節、水面で一番よく目にするのはヤンマトンボとイトトンボです。また、ルリチョウや「魚捕りの名手」の異名を持つカワセミといった珍しい鳥にも出会えます。運が良ければ、カワセミがバタバタと翼を羽ばたかせて水中にダイビングし、くちばしで魚をとらえる瞬間を目撃することもできます。水がきれいな渓流ならではの光景です。


TAIPEI 秋季号 2018 Vol.13標高223メートルの鯉魚山歩道では、大木が立ち並ぶ円覚寺歩道より空に近い感じがします。(写真/台北市大地工程処)
 

植物を見ながら修行体験

円覚寺歩道の難関は円覚瀑布(円覚の滝)を過ぎたところにあります。計500段以上ある石段を登っていくのですが、その高さに思わず圧倒されてしまいそうです。そうならないように、歩きながら周囲の植物を観察して気を紛らわせるといいでしょう。タブノキ、トキワガキ、クスノキや、落葉前にきれいに紅葉するナンキンハゼ、コバンモチ、ホルトノキを眺めながら、これらの植物がこの山で何百年、何千年と生きてきた歴史に思いをはせてみてください。20分ほど頑張って歩みを進めると、中間地点の円覚寺に到着です。ここで一休みしましょう。お寺から聞こえてくるお経を聴いていると、自然と呼吸が落ち着いてきます。気を引き締めて登った後のリラックスタイムは格別に心地よいものです。

円覚寺を出て車道を南に進むと鯉魚山歩道の登山口に到着です。鯉魚山歩道の両脇では高齢の劉洋正さんが一人で15年かけて築き上げた、万里の長城や台湾各地の観光名所などをモチーフにしたコンクリート彫刻「小人国」を目にすることができます。コンクリートでできた万里の長城の外側には森林が広がり、内側には石板が敷かれた平坦な道が続いています。その他の彫刻は道端にあったり木に隠れたりしていて、若干の違和感がありますが、1キロメートルにわたってこの歩道に宝探し迷路のような趣をもたらしています。
 

 

鯉魚山・円覚寺環状歩道

登山口   内湖区大湖山荘街131

全長        4.8キロメートル(うち登山道は約2.8キロメートル)

所要時間       2時間(個人の体力による)

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