発表日:2020-06-12
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TAIPEI #20 (2020 夏季号)
家族と行く台北博物館巡り
文 / Jamie R. Wood
編集 / 下山敬之
写真 / 奥森児童博物館、国立台湾科学教育、 国立台湾博物館南門パーク、台湾昆虫館
夏休みのシーズンが始まり、子供たちをどこへ連れて行くか悩んでいる人たちにピッタリの場所が台北です。台湾の首都である台北には有名なスポットがたくさんあり、年齢層を問わず全ての子供たちが楽しめます。特にすでに象山でのハイキングや大安森林公園でのピクニックなど野外活動をしたことがある人に強くおすすめしたいのが家族で楽しめる博物館巡りです。台北の博物館は体験型の展示物も多く、子供だけでなく大人も興味を惹かれる内容となっています。今回は多数ある博物館の中から「家族で楽しめる」をキーワードに厳選したスポットを紹介していきます。
奥森児童博物館
MRT 大安駅のすぐそばにある奧森児童博物館は、0 歳~ 10 歳までの子供を対象とした民営の博物館で、館内はテーマごとに13 の展示エリアに分かれています。「アートスタジオ」は子供が心ゆくまでお絵かきを楽しめますし、「キネティック」エリアは天井から大量のボールを落とす大掛かりな装置があるので科学が好きな子供の興味を引くでしょう。「ジップライン」エリアには迫力満点のロープスライダーがあり、安全も考慮したプロテクターも用意されています。最大の目玉は「バブル」エリアで、巨大なシャボン玉を作り、その中に入ることができるので大人も子供と同じように楽しめます。
▲奥森児童博物館はテーマ別にエリアが分かれていて、お子さんの興味に合わせて楽しく学ぶことができます。( 写真/ 奥森児童博物館 )
奥森児童博物館は子供向けではありますが、大人のニーズも考慮されています。例えば授乳室や着替え台などの設備がある他、「子ども専用」の展示室にはモニターが設置してあるので外からでも様子が確認できます。また、1 階には休憩ができるカフェがあるので、ぜひお子さんを連れて遊びにいってみましょう。
▲奥森児童博物館はテーマ別にエリアが分かれていて、お子さんの興味に合わせて楽しく学ぶことができます。( 写真/ 奥森児童博物館 )
奥森児童博物館
国立台湾科学教育館
国立台湾科学教育館(NTSEC) は1956 年に設立された博物館で、親子揃って科学が学習できる人気のスポットです。建物は9 階建てで、常設展示エリアでは生命科学、物理学、化学、数学、地球科学などに関する展示が行われ、ロビーや7・8 階では恐竜やロケット、ロボットなどをテーマとした特別展を不定期で開催しています。
台北の学生たちは遠足でこの場所を訪問し、宇宙に関する3D 映画を見るというのが定番です。また、5 階にある「化学の不思議な世界」展では、学生たちが先生の出題した問題に答えようと鉛筆と紙を手にあちこち探し回っている光景もよく見られます。特に人気が高いのは真空放電の基本原理を利用しやプラズマ発生装置で、球体の真空管に触れようとする子どもたちで大賑わいです。こちらは親子で遊びながら科学が学べるスポットとなっているので、お子さんに学習もさせたいという親御さんにおすすめです。
▲国立台湾科学教育館はプラズマボールや影の残像を映す壁など子供が好きな体験型の展示を通して科学に対する好奇心を刺激することができます。( 写真/ 国立台湾科学教育館 )
奥森児童博物館
国立台湾博物館南門パーク
国立台湾博物館南門パークは中正紀念堂近くの閑静とした場所に位置する日本統治時代の歴史的建造物です。1899 年から1967 年まで台湾総督府専売局、その後は台湾菸酒公司の前身となる菸酒公売局が経営する樟脳工場として稼働していました。
▲国立台湾博物館南門パークの建物は日本統治時代に建造され、現在では台湾の樟脳の歴史博物館となっています。( 写真/ 国立台湾博物館南門パーク )
ここを見学するのであれば、まずは公園内にある小白宮という歴史的建造物を見学してみましょう。石造りのこの建物は現在、特別展示用スペースとして使用されています。小白宮の隣にあるレンガ造りの「紅楼(レッドハウス)」はメインの展示エリアで、1910 年代の台湾の三大輸出産業の一つであった樟脳産業の歴史が学べます。また、レゴブロックやスクリーンを使ったゲーム形式で歴史が学べるよう工夫されているので子供が飽きる心配も無用です。
1 階のキッズルームには壁に飾られた絵画から子供たちが惑星や南門パークに生息する鳥、昆虫などについても学ぶことができます。入場料は大人がNT$20、6 歳~ 12 歳の子供はNT$10、6 歳未満の子供は無料です。非常に安価なので、お金をかけずに楽しむのであればこちらを訪れてみましょう。
▲南門パークの環境教育活動に参加すると当地区に生息する様々な生物を知ることができます。( 写真/ 国立台湾博物館南門パーク )
国立台湾博物館南門パーク
台湾昆虫館
台湾昆虫館は昆虫愛好家のグループが設立した博物館とNGO 団体で、施設内に入ると子供たちは昆虫の魅力に心惹かれることでしょう。展示スペースには数千種の昆虫標本や虫の説明、虫の生息地の再現がされています。また、ただの博物館ではなく昆虫や爬虫類の動物園という側面もあるので、様々生き物たちとの交流も可能です。ここでは子猫やウサギと同じようにフンコロガシやヘビ、トカゲなどが可愛いがられていて、専門の飼育員の指導のもとで動物に触れる、餌を与えるといった体験、交流ができます。
▲台湾昆虫館では飼育員の指導のもと様々な動物たちと触れ合える機会が得られます!( 写真/ 台湾昆虫館 )
台湾昆虫館は子供たちが訪れやすいよう学校の下校時間に合わせて開館していて、週末以外は午前中の利用ができません。閉館時間は夜9 時までと遅く、ホタルの生息地として有名な富陽自然生態公園 ( フーヤンズーランションタイゴンユェン) では、親子のアウトドア活動が不定期開催されています。昆虫館の近くは多くの人で賑わう信義区とは違い、ホタルの光と子供たちの笑い声が溢れています。
▲台湾昆虫館では展示物を通して昆虫や爬虫類の生息環境を学ぶことができます。( 写真/ 台湾昆虫館 )
台湾昆虫館
家族と行く台北博物館巡り
文 / Jamie R. Wood
編集 / 下山敬之
写真 / 奥森児童博物館、国立台湾科学教育、 国立台湾博物館南門パーク、台湾昆虫館
夏休みのシーズンが始まり、子供たちをどこへ連れて行くか悩んでいる人たちにピッタリの場所が台北です。台湾の首都である台北には有名なスポットがたくさんあり、年齢層を問わず全ての子供たちが楽しめます。特にすでに象山でのハイキングや大安森林公園でのピクニックなど野外活動をしたことがある人に強くおすすめしたいのが家族で楽しめる博物館巡りです。台北の博物館は体験型の展示物も多く、子供だけでなく大人も興味を惹かれる内容となっています。今回は多数ある博物館の中から「家族で楽しめる」をキーワードに厳選したスポットを紹介していきます。
奥森児童博物館
MRT 大安駅のすぐそばにある奧森児童博物館は、0 歳~ 10 歳までの子供を対象とした民営の博物館で、館内はテーマごとに13 の展示エリアに分かれています。「アートスタジオ」は子供が心ゆくまでお絵かきを楽しめますし、「キネティック」エリアは天井から大量のボールを落とす大掛かりな装置があるので科学が好きな子供の興味を引くでしょう。「ジップライン」エリアには迫力満点のロープスライダーがあり、安全も考慮したプロテクターも用意されています。最大の目玉は「バブル」エリアで、巨大なシャボン玉を作り、その中に入ることができるので大人も子供と同じように楽しめます。
奥森児童博物館は子供向けではありますが、大人のニーズも考慮されています。例えば授乳室や着替え台などの設備がある他、「子ども専用」の展示室にはモニターが設置してあるので外からでも様子が確認できます。また、1 階には休憩ができるカフェがあるので、ぜひお子さんを連れて遊びにいってみましょう。
奥森児童博物館
🏫 大安区信義路三段153 号 🕙 10:00 ~ 17:00 ( 火曜、水曜定休) 🔗 kidsawesome.com.tw/en/ |
国立台湾科学教育館
国立台湾科学教育館(NTSEC) は1956 年に設立された博物館で、親子揃って科学が学習できる人気のスポットです。建物は9 階建てで、常設展示エリアでは生命科学、物理学、化学、数学、地球科学などに関する展示が行われ、ロビーや7・8 階では恐竜やロケット、ロボットなどをテーマとした特別展を不定期で開催しています。
台北の学生たちは遠足でこの場所を訪問し、宇宙に関する3D 映画を見るというのが定番です。また、5 階にある「化学の不思議な世界」展では、学生たちが先生の出題した問題に答えようと鉛筆と紙を手にあちこち探し回っている光景もよく見られます。特に人気が高いのは真空放電の基本原理を利用しやプラズマ発生装置で、球体の真空管に触れようとする子どもたちで大賑わいです。こちらは親子で遊びながら科学が学べるスポットとなっているので、お子さんに学習もさせたいという親御さんにおすすめです。
奥森児童博物館
🏫 士林区士商路189 号 🕙 9:00 ~ 17:00 ( 火曜 – 金曜)、9:00 ~ 18:00 ( 土曜、日曜) 🔗 ntsec.gov.tw/indexJP.html |
国立台湾博物館南門パーク
国立台湾博物館南門パークは中正紀念堂近くの閑静とした場所に位置する日本統治時代の歴史的建造物です。1899 年から1967 年まで台湾総督府専売局、その後は台湾菸酒公司の前身となる菸酒公売局が経営する樟脳工場として稼働していました。
ここを見学するのであれば、まずは公園内にある小白宮という歴史的建造物を見学してみましょう。石造りのこの建物は現在、特別展示用スペースとして使用されています。小白宮の隣にあるレンガ造りの「紅楼(レッドハウス)」はメインの展示エリアで、1910 年代の台湾の三大輸出産業の一つであった樟脳産業の歴史が学べます。また、レゴブロックやスクリーンを使ったゲーム形式で歴史が学べるよう工夫されているので子供が飽きる心配も無用です。
1 階のキッズルームには壁に飾られた絵画から子供たちが惑星や南門パークに生息する鳥、昆虫などについても学ぶことができます。入場料は大人がNT$20、6 歳~ 12 歳の子供はNT$10、6 歳未満の子供は無料です。非常に安価なので、お金をかけずに楽しむのであればこちらを訪れてみましょう。
国立台湾博物館南門パーク
🏫 中正区南昌路一段1 号 🕙 パーク:6:00 ~ 22:00 ( 毎日開放) 🕑 展示館:9:30 ~ 17:00 ( 月曜定休) 🔗 ntm.gov.tw/jp/content_173.html |
台湾昆虫館
台湾昆虫館は昆虫愛好家のグループが設立した博物館とNGO 団体で、施設内に入ると子供たちは昆虫の魅力に心惹かれることでしょう。展示スペースには数千種の昆虫標本や虫の説明、虫の生息地の再現がされています。また、ただの博物館ではなく昆虫や爬虫類の動物園という側面もあるので、様々生き物たちとの交流も可能です。ここでは子猫やウサギと同じようにフンコロガシやヘビ、トカゲなどが可愛いがられていて、専門の飼育員の指導のもとで動物に触れる、餌を与えるといった体験、交流ができます。
台湾昆虫館は子供たちが訪れやすいよう学校の下校時間に合わせて開館していて、週末以外は午前中の利用ができません。閉館時間は夜9 時までと遅く、ホタルの生息地として有名な富陽自然生態公園 ( フーヤンズーランションタイゴンユェン) では、親子のアウトドア活動が不定期開催されています。昆虫館の近くは多くの人で賑わう信義区とは違い、ホタルの光と子供たちの笑い声が溢れています。
台湾昆虫館
🏫 大安区和平東路三段406 巷8 号地下1 階 🕙 18:00 ~ 21:00 ( 月曜、火曜)、12:00 ~ 21:00 ( 水曜)、16:00 ~ 21:00 ( 木曜、金曜)、10:00 ~ 21:00 ( 土曜、日曜) 🔗 taiwan.insectweb.org |
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