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台北の近現代芸術スポット (TAIPEI Quarterly 2020 秋季号 Vol.21)

アンカーポイント

発表日:2020-09-16

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TAIPEI #21 (2020 秋季号)

台北の近現代芸術スポット

文 / Daria Lin 編集 / 下山敬之 写真 / 台北市立美術館、Contemporary by U、 朋丁、空総台湾コンテンポラリー・カルチャー・ラボ、PLAYground 南村劇場


アジアの中でもグルメの街というイメージが強い台北ですが、近年では芸術の街としても注目を集めています。その立役者となっているのがBaboo、呉書原(ウーシューユェン)、許悔之(シューホイジュー)といった台北出身のアーティストやデザイナー、詩人などで、彼らが生み出すクリエイティブな作品が台北のアートをより親しみやすいものへと変化させています。アート作品の展示場所は台北市立美術館と台北当代芸術館が主ですが、他にも「耿画廊(ゲンホァラン)」や「也趣芸廊(イェチューイーラン)」などのギャラリー、「湿地(シューディ)」や「森 3 Sun Sun Museum」といった展示スペースも増えています。こうした背景から「台北当代芸術博覧会」が開催されるなど、台北のアート業界はかつてない盛り上がりを見せています。-TFAM Interior_04©Taipei Fine Arts Museum-Editied▲台北の現代アートスペースは新しいアーティストが作品を展示する場としてだけでなく、アート好きな人たちがリラックスしながら様々な作品に触れられる場所です。(写真 / 台北市立美術館)

台北では絵画や写真、建築から劇場などジャンルを問わず、さまざまなアートが楽しめます。ここでは、台北独自のアートスポットをいくつか紹介していきます。

台北市立美術館
台北市立美術館は1983年に設立された公立美術館で、花博公園美術園区の中にあります。この美術館は台湾の近現代アートを世に広める目的で作られ、現在では台北双年展やヴェネチア・ビエンナーレの台湾ブースの運営も手掛けています。また、多くの人にアートを触れてもらうために入場料も30台湾元と非常に安価ですし、ここ数年は館内での宿泊会や子供向けのワークショップなどのイベントも開催しています。今年の夏から秋にかけては「Between Earth and the Sky: The Spiritual State of Our Times」という特別展が計画されていて、現代人の精神性についての討論などが行われる予定です。

中山区中山北路三段181号
9:30 ~ 17:30(日曜 - 金曜;月曜定休) 9:30 ~ 20:30(土曜)TFAM Exterior_P2 ©Taipei Fine Arts Museum▲台北市立美術館は不規則な形をした外観と太陽光が差し込む大きな窓が有名で、明るい空間で様々な展示物が鑑賞できます。(写真 / 台北市立美術館)


Contemporary by U
2019 年末にオープンしたギャラリーで、次世代のクリエイティブが集う松山文創園区のすぐ隣にあります。決して大きなギャラリーではありませんが、草間彌生や村上隆、奈良美智などの有名な日本人芸術家、KAWS、WhIsBe、Jerkfaceといったアメリカのストリートアーティスト、さらに現代芸術家やポップアーティストの作品を厳選して取り扱っています。内装は極めてシンプルで、中にはカフェが併設されているなど、都会の喧騒の中でも心が安らぐ空間となっています。特に若い世代の来場者は大歓迎ということなので、アートの世界を堪能したい方はもちろん、コーヒーが好きな方もぜひ一度足を運んでみてください。

信義区忠孝東路四段553巷42号
11:00 ~ 20:00(月曜定休)-場域照_Contemporary by U 01-Editied-場域照_Contemporary by U 06-Editied▲Contemporary by U の展覧スタイルは近現代の絵画からストリートアートまで幅広い範囲をカバーしています。 (写真 / Contemporary by U)


朋丁
中山区の閑静な住宅街にたたずむギャラリー、書店、コーヒーバーが併設された複合施設で、アーティスト作品の展示スペースとしても有名な場所です。
お店の1階はコーヒーを飲みながら本や雑誌が読めるカフェのようなスペースで、2階と3階は厳選された地元デザイナーの作品や写真、イラスト、絵画、インスタレーションなど他ジャンルな芸術品を展示するスペースとなっています。芸術家やアートが好きなスタッフで運営されているので、作品の展示だけでなく定期開催されているワークショップなどを通じて、一般的な美術館やアートギャラリーには無い新しい体験を提供し続けています。

中山区中山北路一段53巷6号
11:00 ~ 20:00 | 毎月最後の月曜定休-未命名-2-Editied​​​​​​​▲朋丁は書店とカフェが融合したアートスペースとなっていて、アートを より一般人の生活に近い感覚で感じられる空間となっています。( 写真 / 朋丁)


空総台湾 コンテンポラリー・カルチャー・ラボ
かつて国防部空軍総司令部があった場所に設立されたこの施設は、政府の方針により文化の発信拠点として生まれ変わり、現在では約7ヘクタールの敷地内に芸術・文化関連の非営利組織が数多く招かれ、革新的な展覧会、ワークショップ、教育プログラムなどを開催しています。-Taiwan Contemporary Culture Lab _ 空総台湾コンテンポラリー・カルチャー・ラボ(C-LAB) entrance -Editied​​​​​​​▲空総台湾コンテンポラリー・カルチャー・ラボは多くの人が現代アートに触れられるように、クリエイティブな展覧とワークショップを行っています。(写真 / 空総台湾コンテンポラリー・カルチャー・ラボ)

アートの共創空間、教育活動の拠点、他ジャンルの研究施設、国際的な滞在型作品制作の拠点など様々な側面を持つこの施設ですが、主な目的は多くの人がアート活動に参加できる場所として進歩していくことです。前衛的な現代アートが好きな方に特におすすめな場所なので、ぜひお立ち寄りください。

大安区建国南路一段177号
9:00 ~ 18:00(月曜定休)-C-LAB Art Space V(米援ビル展示演出空間), exhibition _Yao Jui-Chung_ Republic of Cynic_ -Editied


PLAYground 南村劇場
四四南村という場所にある小規模の独立系劇場兼書店で、歴史的な建物が立ち並ぶエリアをリノベーションした空間です。付近にはカフェが立ち並び、週末になるとマーケットも開かれます。また、台北101のすぐそばに位置していることもあって、観光スポットとしても人気です。-主題區-Editied​​​​​​​▲PLAYground 南村劇場は、劇場以外にも読書スペースを設置した書店があります。(写真 /PLAYground 南村劇場)

かつての美術館と言えば好きな人だけが足を運ぶ限定的な施設でしたが、現在では「物」よりも「体験」、「制作」よりも「共創」、「静観」より「参加性」が求められています。多様な文化を受け入れている自由度の高い台北では、アートが一般的になっていく傾向は今後も加速していくことが予想されますし、ユニークなアートスペースの台頭によって業界もより発展していくことでしょう。

「PLAYground」という名前が表すように遊び心あふれる場所となっていて、書店スペースはよくライブパフォーマンスを行うために利用されています。様々な用途での利用ができるよう書店の本棚は簡単に移動できるようになっており、工夫次第で驚くような利用方法も可能です。イベントについては事前に公式Facebookページで予定を確認してください。

信義区松勤街56号
10:00 ~ 18:00(毎月の一番最初の月曜定休)-台南人劇團現場讀劇2-Editied​​​​​​​▲PLAYground 南村劇場はインディペンデントシアターとして劇団を招いたり、俳優による朗読劇など演劇のクリエイティビティを理解するためのイベントを開催しています。(写真 /PLAYground 南村劇場)


かつての美術館と言えば好きな人だけが足を運ぶ限定的な施設でしたが、現在では「物」よりも「体験」、「制作」よりも「共創」、「静観」より「参加性」が求められています。多様な文化を受け入れている自由度の高い台北では、アートが一般的になっていく傾向は今後も加速していくことが予想されますし、ユニークなアートスペースの台頭によって業界もより発展していくことでしょう。

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