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台北屋台料理2.0 現代風の伝統料理を提供するお店5選 (TAIPEI Quarterly 2020 秋季号 Vol.21)

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発表日:2020-09-16

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TAIPEI #21 (2020 秋季号)

TAIPEI 秋季号 2020 Vol.21--台北屋台料理2.0
現代風の伝統料理を提供するお店5選


文/AYCC
写真/April Chen
編集/下山敬之


アジアにおける食文化の要とも言える台湾にはタピオカミルクティーを始め、臭豆腐(チョウドウフ)、油で揚げた鶏排(ジーパイ)など屋台で販売されている美味しい料理や飲み物が豊富にあります。一般的に屋台料理は不健康で脂っこいものと思われがちですが、一概にそうとは言えず変化の激しい台北の生活様式の中で食も進化を続けています。例えば、伝統料理に漢方を組み合わせたり、食材をアレンジしてこれまでとは全く異なる味付けにするなどです。今季のTAIPEIでは、屋台料理にアレンジを加えて新しい料理へと昇華させた5軒のレストランを紹介していきます。それぞれのお店では、過去幾世代にも渡り継承されてきた本格的な台湾料理の精神はそのままに、食材を大胆にアレンジして異なる料理へと進化させた屋台料理バージョン2.0を提供しています。


餃子楽(ジャオズラ)
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▲豚肉とニラの水餃子、エビ餃子の他にもきゅうりのおひたしや漬物など餃子に合うサイドメニューもあります。

30年以上の歴史を持つレストラン「王家水餃」の2代目オーナーが開いたこのお店は、伝統的な木製のテーブルと現代風でシンプルな内装が組み合わされています。看板メニューは秘伝のレシピに従って作られた豚肉とニラがぎっしり詰まった手作り餃子です。他にも豚ひき肉、クログワイ、黄ニラに新鮮なエビのむき身が丸々一匹分入ったエビ餃子もおすすめの一品です。また、このお店では地元の食材にこだわっていて、東門店では通常の餃子に花蓮(ホアリエン)名物の青唐辛子の醤油漬けを混ぜることで、伝統的な屋台料理に新たな味わいを添えています。

大安区金華街223-3号(東門店)
11:30 ~ 14:00、17:00 ~ 21:00(日曜定休)IMG_9571▲餃子楽ではメニュー以外に明るく温かい快適な食事空間も提供しています。


時寓(シーユー)
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▲母から受け継いだ牛肉麺以外にも滷味の盛り合わせなどおすすめのメニューがあります。

MRT松江南京駅近くにある隠れ家的なレストランのこのお店は、店名の「時寓(時計のアパート)」が示すとおりアパートの一室にあり、壁一 面にはアンティークの時計が飾られています。看板メニューは母直伝のレシピを健康的に仕上げた煮込み牛肉麵の「来金」で、母親の名前が由来の一品です。伝統的な牛肉麺は醤油ダシがベースですが、このスープには玉ねぎ、リンゴ、キャベツ、トウモロコシなどの有機野菜と果物、麦門冬や紅棗など12種類の漢方が入っています。また、夜になるとスタイリッシュなバーになり、賞を獲得した台湾産ウィスキーの「OMAR」も味わえます。

中山区建国北路一段68号2階
12:00 ~ 14:30、18:00 ~ 22:00(水曜 - 金曜)
12:00 ~ 15:00、18:00 ~ 21:00(土曜、日曜 )月曜、火曜、毎月第二日曜定休時寓3-Edited▲時寓は牛肉麺に薬膳を取り入れただけでなく、店内にある漢方の収納棚を食器棚に改造して雰囲気のあるお店作りをしています。


潮味決(チャオウェイジュエ)
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​​​​​​​▲潮味決では滷味と火鍋の味を組み合わせ、さらに様々な食材を提供すること4でお客さんを満足させています。

台湾でポピュラーな滷味(ルーウェイ)は顧客が具材を指定し、お店がそれを醤油ベースのスープで煮込む伝統料理です。滷味といえば屋台が定番ですが、このお店では現代風なお店を構えていて、メニューも店名の「潮味決(「潮」が「流行」、「味決」は「味」と「対決」という意味)」が示すとおり台湾人にとっての伝統料理である火鍋と滷味を組み合わせた新しい料理を提供しています。一番人気は唐辛子の香り豊かなピリ辛の火鍋のスープですが、辛さを抑えたい方には、豚骨やごま油をベースにした火鍋スープがおすすめです。

内湖区江南街124号(内湖江南店)
11:30 ~ 21:00(ラストオーダー:20:30)潮味決7-Edited▲潮味決では滷味と火鍋の味を組み合わせ、さらに様々な食材を提供すること4でお客さんを満足させています。​​​​​​​


弎樓(サンロウ)
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​​​​​​​▲クラシックな台湾式居酒屋として有名な弎樓は、豆乳やキンモクセイなど台湾を代表する味を組み合わせたカクテルを提供しています。

台湾式大衆居酒屋「熱炒(ルーチャオ)」をアレンジしたこのお店は3階建ての古い建物の中にあり、外観からは想像できませんが、台北でも人気の高いお店です。赤レンガの壁や格子窓など、元の内装がそのまま残っているのでレトロな雰囲気が楽しめます。看板メニューは鴨の胸肉の煮込み、ヘチマの塩卵黄和え、ピリ辛の牛スネ煮込みなどの伝統的な台湾料理で、他にも豆乳にウォッカを混ぜた台湾風のカクテルなどを提供しています。また、ウィスキーにキンモクセイとレモンジュース、卵白を加えた伝統メニュー「オスマンサス‧アレー」もあるので一度試してみてください。

大安区通化街156号
18:00 ~ 02:00(火曜 - 木曜、日曜)
18:00 ~ 03:00(金曜、土曜)弎樓2​​​​​​​▲弎樓の店内設計は赤レンガやセメントの壁、木製の卓など台湾の伝統的家屋の特色が取り入れられています。​​​​​​​


天淳津品(ティエンチュンジンピン)
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​​​​​​​▲看板メニューの滷牛肉刈包が蒸籠に入った状態で提供される点も天淳津品大きな特徴の一つです。

屋台料理の王道といえば台湾式ハンバーガーの刈包(グァバオ)ですが、このお店では西洋のサンドイッチの概念を組み合わせた刈包を提供しています。通常は煮込んだ豚肉にピーナッツ、パクチーを蒸したまんじゅう生地でサンドしますが、このお店ではパクチー代わりの新鮮なレタス、ジューシーな豚バラ肉、ハニーマスタードを小麦粉と炭パウダーで作った生地で包んでいます。また、インスタ映えする蒸籠に入った盛り付けもポイントです。他にも鶏肉、牛肉、卵を使った別メニューもあるので、ぜひ新しい刈包を体験してみてください。

大安区光復南路 290 巷 38 号
11:00 ~ 19:00(月曜定休)IMG_8596-Edited​​​​​​​▲天淳津品は食事スペースが10席もありませんが、美しさと快適さのバランスをとった絶妙な設計となっています。


台北は様々な文化が混ざりあった多様性と創造性に富んだ街です。時代の変化に伴い生活様式だけでなく台湾料理という分野においても変容が生まれつつあります。今回紹介したお店のようにもともとは屋台料理だった食べ物が昔からの精神を引き継ぎつつ現代風に進化を続けています。また、こうした進化は料理という分野に限らず、空間を楽しんだり、体験を共有したりという新しいカテゴリを形成しつつあります。ぜひ台北にお越しになった際は、発展途上にある屋台料理のバージョン2.0を体験し、進化を続ける台北を感じてみてください。
 

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