発表日:2021-09-11
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TAIPEI #25 (2021 秋季号)
台北の中心で緑に触れる
文: Rick Charette
編集: 下山敬之
写真: Yenping Yang、Taiwan Scene
ビルや人が密集している賑やかな台北市の中心部は、海抜がほとんどない盆地となっています。山に囲まれたこの土地は複数の水路に恵まれていて、それらが大海を目指して下流域へと流れています。
このような自然が複雑に交差する台北ですが、整備された道路網によって短時間で中心部と郊外の行き来が可能です。また、緑に囲まれた散歩道が海抜の低い場所から高い場所まで延々と続いているので、こうした場所を歩くだけでも十分に自然を感じられます。しかし、台北にはこういった場所以外にも、街の中心部にありながら新鮮な空気や緑に触れられるスポットが多々あります。ここでは、台北の中心にある広大な人気スポットを3箇所紹介していきますので、都市部にいながら都会の喧騒を忘れてみてはいかがでしょうか。
▲台北の中心にある緑のオアシスで新鮮な空気を吸って憂鬱な気分を晴らしましょう。
台北植物園
台北植物園は、8ヘクタールに渡って美しい庭園が広がる緑のオアシスです。MRT小南門駅から徒歩わずか数分の場所に位置し、閑静で緑豊かな博愛路を進んだ先にあります。
もともと、この場所は日本時代に日本人が開発をしました。年に設立された苗床から始まり、それから植物研究所へ拡張、1921年には台北植物園へと改名されました。現在は台湾や日本、中国、東南アジアなどの国に生息する約2000種の植物が繁殖していて、各国の多種多様な植物とその生態が鑑賞できます。
▲植物園内の桟道は緑が木陰を作っているので、散歩をしながら涼むことができます。(写真/Yenping Yang)
この植物園はエリアごとに分かれていて、四季に合わせた異なる種類の花が植えられているのが特徴です。そのため、季節によってまったく異なる外観へと変化します。また、利用者が開花シーズンを見逃さないよう、公式サイトでは開花時期などの詳細情報を網羅したカレンダーを公開。最も人気のあるエリアは大きな蓮の池で、時期を問わず写真家や画家で賑わっています。ただ、日々の忙しい日常を忘れ、静かな時間を楽しむには最高のスポットです。
▲園内の蓮の池付近には、写生を趣味とする人たちが多く集まっています。(写真/Yenping Yang)
また、植物園という静かな環境と植物が豊富であることから、都市の中心にありながら昆虫や野鳥が観察できます。特に少しシャイな性格でありながら、堂々とした立ち姿を見せるズグロミゾゴイは見逃せません。他にも運が良ければ、木の幹にいるクワガタや、様々なトンボが水面を舞う姿が見られるでしょう。
▲多くの動物が生息している台北植物園は、バードウォッチングに最適な場所です。(写真/Yenping Yang)
台北植物園
住所 中正区南海路53号
営業時間 8:00 ~ 18:00
サイト tpbg.tfri.gov.tw/en/Introduction.php
富陽 (フーヤン) 自然生態公園 & 福州山 (フージョウサン) 公園
富陽自然生態公園は市の中心部から南東端に位置し、標高約105mの「福州山」のふもとにある谷地にあります。MRT文湖線の麟光駅から南西方向に徒歩5分ほどの距離です。
この公園は、森に覆われた低い斜面の中にあり、3.8ヘクタールという広大な土地があることから、もともとは隠れた軍用弾薬庫でした。1988年に廃止されてからは、長期に渡って入場制限がされたおかげで、生態系が損なわれずに残っています。その一方で多くの軍用施設も残されており、遺留物やトンネルがかつての様子を想起させます。
▲富陽自然生態公園内には、今でも昔の軍事暗渠の跡が見られます。
植物や昆虫の餌が豊富なこの場所は、台北植物園と同様にバードウォッチングに最適です。特に樹木のてっぺんを飛び回るタイワンゴシキドリ、メジロ、シロガシラクロ
ヒヨドリは必見。
▲富陽自然生態公園の中を歩くと原始時代のジャングルの様子が思い浮かびます。
自然生態公園から少し歩くと森林に覆われた福州山にたどり着きます。ここには福州山公園があり、アクセスも良く、景色が美しいこともあって人気のリラクゼーションスポットです。展望台から北海岸を見ると観音山と陽明山、その手前にある台北101の美しい姿が一望できます。ここは外国人観光客に人気のスポットです。もともとこの公園は環境保護を目的として施工されましたが、その前は広大な共同墓地がありました。この墓地は森林に覆われていましたが、開発計画を進める過程で一時的にその姿を拝めるようになり、多くの見物客を集めるようになりました。
▲福州山公園はわずか15分ほどのハイキングで展望台に至り、そこから台北の美しい街並みを観賞することができます。
糶米(ティアオミー)古道
この古道は象山駅の南側に位置しています。人気のハイキングスポット「四獣山」に登ると、台北101や盆地に形成された大都市の姿、北方に連なる山々が一望できます
▲緑に囲まれた糶米古道をゆっくりと登り、都市の中にある静寂を楽しみましょう。
地下鉄の駅から登山口までは徒歩25分ほどで、レンタル自転車のYouBikeを利用すれば、ゆっくり走っても10分ほどで到着する距離です。ハイキングをする際は木陰の下を流れる小川からスタートして、登山口へと向かって登っていきます。登山口まで到着すると、すぐ横には1897年に開鉱し、1940年代に最も賑わった徳興(ダーシン)炭鉱の入口があります。手前の広場には中国語の案内看板と模型のトロッコがあり、短いトンネル内は明るく舗装もされているので安全です。
▲現在の徳興炭鉱は糶米古道を登る際の観光スポットとなっています。
鬱蒼とした木々やシダ植物に囲まれた登山道は急勾配で、頂上までの階段は約500段あります。1800年代初頭、地元の稲作農家が台北盆地の南東にある次の谷まで米を運ぶためにこの道を作りました。名前は「糶米(米を売り歩く)」という意味の中国語が由来です。頂上には大地の神を祀った糶米公廟があります。かつて米の運び屋がここで休憩した際に、安全に通行できたことへの感謝として一杯の米を捧げたそうです。この逸話が様々な寺院へ広まり、風習として繰り返されるようになりました。山の尾根から前方には台北盆地、後方には景美渓の渓谷と素晴らしい景色を拝めるロケーションとなっています。
▲糶米公廟は世代を超えて信仰されています。
TAIPEI からのお知らせ
コロナウイルス感染拡大の影響で、営業時間は変更となる可能性があります。まずは営業状況を確認し、感染予防対策を行った上で足を運ぶようにしましょう。
台北の中心で緑に触れる
文: Rick Charette
編集: 下山敬之
写真: Yenping Yang、Taiwan Scene
ビルや人が密集している賑やかな台北市の中心部は、海抜がほとんどない盆地となっています。山に囲まれたこの土地は複数の水路に恵まれていて、それらが大海を目指して下流域へと流れています。
このような自然が複雑に交差する台北ですが、整備された道路網によって短時間で中心部と郊外の行き来が可能です。また、緑に囲まれた散歩道が海抜の低い場所から高い場所まで延々と続いているので、こうした場所を歩くだけでも十分に自然を感じられます。しかし、台北にはこういった場所以外にも、街の中心部にありながら新鮮な空気や緑に触れられるスポットが多々あります。ここでは、台北の中心にある広大な人気スポットを3箇所紹介していきますので、都市部にいながら都会の喧騒を忘れてみてはいかがでしょうか。
台北植物園
台北植物園は、8ヘクタールに渡って美しい庭園が広がる緑のオアシスです。MRT小南門駅から徒歩わずか数分の場所に位置し、閑静で緑豊かな博愛路を進んだ先にあります。
もともと、この場所は日本時代に日本人が開発をしました。年に設立された苗床から始まり、それから植物研究所へ拡張、1921年には台北植物園へと改名されました。現在は台湾や日本、中国、東南アジアなどの国に生息する約2000種の植物が繁殖していて、各国の多種多様な植物とその生態が鑑賞できます。
この植物園はエリアごとに分かれていて、四季に合わせた異なる種類の花が植えられているのが特徴です。そのため、季節によってまったく異なる外観へと変化します。また、利用者が開花シーズンを見逃さないよう、公式サイトでは開花時期などの詳細情報を網羅したカレンダーを公開。最も人気のあるエリアは大きな蓮の池で、時期を問わず写真家や画家で賑わっています。ただ、日々の忙しい日常を忘れ、静かな時間を楽しむには最高のスポットです。
また、植物園という静かな環境と植物が豊富であることから、都市の中心にありながら昆虫や野鳥が観察できます。特に少しシャイな性格でありながら、堂々とした立ち姿を見せるズグロミゾゴイは見逃せません。他にも運が良ければ、木の幹にいるクワガタや、様々なトンボが水面を舞う姿が見られるでしょう。
台北植物園
住所 中正区南海路53号
営業時間 8:00 ~ 18:00
サイト tpbg.tfri.gov.tw/en/Introduction.php
富陽 (フーヤン) 自然生態公園 & 福州山 (フージョウサン) 公園
富陽自然生態公園は市の中心部から南東端に位置し、標高約105mの「福州山」のふもとにある谷地にあります。MRT文湖線の麟光駅から南西方向に徒歩5分ほどの距離です。
この公園は、森に覆われた低い斜面の中にあり、3.8ヘクタールという広大な土地があることから、もともとは隠れた軍用弾薬庫でした。1988年に廃止されてからは、長期に渡って入場制限がされたおかげで、生態系が損なわれずに残っています。その一方で多くの軍用施設も残されており、遺留物やトンネルがかつての様子を想起させます。
植物や昆虫の餌が豊富なこの場所は、台北植物園と同様にバードウォッチングに最適です。特に樹木のてっぺんを飛び回るタイワンゴシキドリ、メジロ、シロガシラクロ
ヒヨドリは必見。
自然生態公園から少し歩くと森林に覆われた福州山にたどり着きます。ここには福州山公園があり、アクセスも良く、景色が美しいこともあって人気のリラクゼーションスポットです。展望台から北海岸を見ると観音山と陽明山、その手前にある台北101の美しい姿が一望できます。ここは外国人観光客に人気のスポットです。もともとこの公園は環境保護を目的として施工されましたが、その前は広大な共同墓地がありました。この墓地は森林に覆われていましたが、開発計画を進める過程で一時的にその姿を拝めるようになり、多くの見物客を集めるようになりました。
糶米(ティアオミー)古道
この古道は象山駅の南側に位置しています。人気のハイキングスポット「四獣山」に登ると、台北101や盆地に形成された大都市の姿、北方に連なる山々が一望できます
地下鉄の駅から登山口までは徒歩25分ほどで、レンタル自転車のYouBikeを利用すれば、ゆっくり走っても10分ほどで到着する距離です。ハイキングをする際は木陰の下を流れる小川からスタートして、登山口へと向かって登っていきます。登山口まで到着すると、すぐ横には1897年に開鉱し、1940年代に最も賑わった徳興(ダーシン)炭鉱の入口があります。手前の広場には中国語の案内看板と模型のトロッコがあり、短いトンネル内は明るく舗装もされているので安全です。
鬱蒼とした木々やシダ植物に囲まれた登山道は急勾配で、頂上までの階段は約500段あります。1800年代初頭、地元の稲作農家が台北盆地の南東にある次の谷まで米を運ぶためにこの道を作りました。名前は「糶米(米を売り歩く)」という意味の中国語が由来です。頂上には大地の神を祀った糶米公廟があります。かつて米の運び屋がここで休憩した際に、安全に通行できたことへの感謝として一杯の米を捧げたそうです。この逸話が様々な寺院へ広まり、風習として繰り返されるようになりました。山の尾根から前方には台北盆地、後方には景美渓の渓谷と素晴らしい景色を拝めるロケーションとなっています。
TAIPEI からのお知らせ
コロナウイルス感染拡大の影響で、営業時間は変更となる可能性があります。まずは営業状況を確認し、感染予防対策を行った上で足を運ぶようにしましょう。
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