発表日:2021-09-13
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TAIPEI #25 (2021 秋季号)
農家から食卓へ
台北のグリーンダイニング革命
文: Elisa Cohen
編集: 下山敬之
写真: Green Media
気候変動による環境への影響が懸念される中、世界中のあらゆる産業はサスティナブルな経済活動の維持が求められています。食文化においてもオーガニックや地元産の食材を求めるトレンドが起こるなど、消費者の意識は変化しています。
▲地元産の季節に準じた食材を使用することは、グリーンダイニングガイドの重要な指標の1つです。
ただ、外食をする際に消費者が食材を選ぶことはできません。そこで、台北市文化探索協会では、グリーンダイニング・ガイドを作成して「緑食(グリーンフード)宣言」を推奨。掲載されている「グリーンレストラン」を選ぶことで、環境に優しく良質な食事が食べられるようになりました。
今季の《TAIPEI》ではグリーンダイニングガイドの共同創設者である何佳穎(ホージャーイン)氏をお招きし、「グリーンフード」の精神や目的についてお話を伺いました。
農家と飲食店が作るエコな食品基準
「私たちのゴールは飲食店に質の良い食事を提供してもらうことです。グリーンダイニングガイドを通じて、土地や環境に配慮する飲食店同士が繋がり、消費者にもこの精神が伝わっていって欲しいと考えています」と何氏は語っています。
「水花園有機農夫市集」というマーケットを運営する台北市文化探索協会では、飲食店を訪問し提携農家のオーガニック食材を勧めていました。その中で多くの飲食店がグリーンフードの理念を掲げていることがわかったそうです。そこで、こうした飲食店をサポートしようとグリーンダイニングガイドを作成しました。
▲全国の小規模農家が集まっていてる台北の水花園有機農夫市集では、エコな農作物が簡単に購入できます。
本ガイドについて何氏は、「グリーンフードのコンセプトはまだ台湾の消費者にあまり浸透していません。飲食店には厳格な基準の順守を求める代わりに、販促の支援を行い、それを通してこのコンセプトが広く浸透してくれたらと考えています」と説明しています。
緑食宣言の基準には、地元産の季節に準じた食材を優先すること、オーガニック食材を優先すること、サスティナブルな生態学的および海洋原理に準ずること、添加物の使用を減らすこと、ベジタリアンのためのオプションを提供すること、リソースの枯渇と無駄を減らすこと、という6項目が含まれています。
これらは、強制的な基準や厳格な規制というわけではなく、あくまでも自主的なコミットメントです。「項目を定める上で、みんなで一緒にできることなのだと感じてもらえるよう、多様性にあふれた言葉や表現を使いました」と何氏は話します。
外食が主流の台北は、台湾におけるグリーンダイニングガイドの起点と言えるでしょう。「緑食宣言を推進し始めたときは、最適なレストランを探すべく何件も訪問し、どのような支援ができるかを説明しました」と何氏は言います。
▲台北市文化探索協会は志を同じくする仲間と協力し、「グリーンフード宣言」を広めています。
台北のグリーンレストランの現状:機会と課題
外食が主流の台北は、台湾におけるグリーンダイニングガイドの起点と言えるでしょう。「緑食宣言を推進し始めたときは、最適なレストランを探すべく何件も訪問し、どのような支援ができるかを説明しました」と何氏は言います。
「私たちが見つけたお店だけでなく、自主的に参加をしてくれた飲食店もあります。台北には現在約軒のグリーンレストランがありますが、このコンセプトに適した飲食店はもっとあるはずです」。
中国料理から西洋料理、カフェ、ベーカリー、ドリンクスタンドまで、台北にはさまざまなグリーンレストランがあります。植物由来の食材とグルテンフリーのベジタリアンメニューを提供する「Plants」というレストランもその一つです。
▲ヴィーガンやローフードを提供する「Plants」は、台北でも人気のグリーンレストランの1つです。
また、自然食を提供する「Ooh Cha Cha」というレストランとPlantsは英語表記のメニューがあることから外国人のお客さんも多く、どちらもヴィーガン料理を提供しているお店です。「小小蔬房」も、パイナップルのピクルスなどを台湾の食材と海外の料理を組み合わせたユニークなメニューを提供。使用されている野菜はいずれも、エコファーマーが栽培したものです。
▲OohChaChaでは全て植物由来の食材を使用して、メキシコとアメリカ料理を作り上げています。
▲小小蔬房では新鮮な野菜と果物を使い、食材本来の味を引き出した料理を提供しています。
何氏によれば、台北の消費者たちは受容性が高く、サスティナブルやオーガニック、地元産の食材にもオープンです。また、グリーンフードのコンセプトに対する理解も早く、環境保護などに貢献しようとグリーンレストランを選択する人たちが増えています。
レストランや関連する組織はグリーンダイニングガイドの繋がりを利用し、サスティナブルな環境へ配慮をしつつ、経済的に成長する方法を模索しています。リサイクル可能な容器の使用するために、飲食店が共同で製造元に交渉するなどがその例です。
コロナウィルスの蔓延による影響が大きい小規模なお店も、他店と協力をしていくことで危機的状況を回避し、成長を続けていることが何氏の喜びだと言います。こうした協力関係が、ウィンウィンの機会をより多く生み出すきっかけとなっていくことでしょう。
集団の強みとエコスフィアの推進
「無農薬農家、質の高いサプライヤー、飲食店、消費者の橋渡しとなるのが私たちの役目です」と何氏は主張します。彼女たちは飲食店を繋ぐだけでなく、「グリーンメディア」という媒体を運営し、農家や飲食店の経営者、消費者たちの情報共有の場を提供。食材に関するリサーチ結果やレシピなどをオンライン上でシェアしています。こうした活動を通じて、より多くの人々にグリーンイニシアチブの構想や環境的サステナビリティについて広める努力を続けています。
グリーンメディアは、グリーンレストランを見つけるためのプラットフォームでもあります。農業委員会農糧署の協力のもと、台湾全土のグリーンレストランや無農薬農家、ファーマーズマーケットなどを紹介するグリーンライフガイドマップを作成しました。
これにより消費者は食材の仕入れ元や生産者、それらの食材がどこでどのように育ったのかを知ることが可能です。
▲グリーンライフガイドマップでは台北及び台湾各地のグリーンレストランやオーガニック農場を紹介しています。
「消費者に対して正直であることは、グリーンレストランの基本です」と何氏は語ります。緑食宣言では消費者との信頼構築のため、飲食店には使用する食材や仕入元といった情報の開示を求めています。
グリーンレストランは、利益を追求するだけの従来のビジネスモデルとは異なります。「より良い食事を提供する」というコンセプトを重視し、その維持に努める小規模経営のお店が中心です。何氏は、そうした飲食店の繋がりを深め、利益を生み出しながらも、より環境に優しいサイクルが生まれることを目標としています。
グリーンダイニングガイド
サイト greenmedia.today/map_search.php
農家から食卓へ
台北のグリーンダイニング革命
文: Elisa Cohen
編集: 下山敬之
写真: Green Media
気候変動による環境への影響が懸念される中、世界中のあらゆる産業はサスティナブルな経済活動の維持が求められています。食文化においてもオーガニックや地元産の食材を求めるトレンドが起こるなど、消費者の意識は変化しています。
ただ、外食をする際に消費者が食材を選ぶことはできません。そこで、台北市文化探索協会では、グリーンダイニング・ガイドを作成して「緑食(グリーンフード)宣言」を推奨。掲載されている「グリーンレストラン」を選ぶことで、環境に優しく良質な食事が食べられるようになりました。
今季の《TAIPEI》ではグリーンダイニングガイドの共同創設者である何佳穎(ホージャーイン)氏をお招きし、「グリーンフード」の精神や目的についてお話を伺いました。
農家と飲食店が作るエコな食品基準
「私たちのゴールは飲食店に質の良い食事を提供してもらうことです。グリーンダイニングガイドを通じて、土地や環境に配慮する飲食店同士が繋がり、消費者にもこの精神が伝わっていって欲しいと考えています」と何氏は語っています。
「水花園有機農夫市集」というマーケットを運営する台北市文化探索協会では、飲食店を訪問し提携農家のオーガニック食材を勧めていました。その中で多くの飲食店がグリーンフードの理念を掲げていることがわかったそうです。そこで、こうした飲食店をサポートしようとグリーンダイニングガイドを作成しました。
本ガイドについて何氏は、「グリーンフードのコンセプトはまだ台湾の消費者にあまり浸透していません。飲食店には厳格な基準の順守を求める代わりに、販促の支援を行い、それを通してこのコンセプトが広く浸透してくれたらと考えています」と説明しています。
緑食宣言の基準には、地元産の季節に準じた食材を優先すること、オーガニック食材を優先すること、サスティナブルな生態学的および海洋原理に準ずること、添加物の使用を減らすこと、ベジタリアンのためのオプションを提供すること、リソースの枯渇と無駄を減らすこと、という6項目が含まれています。
これらは、強制的な基準や厳格な規制というわけではなく、あくまでも自主的なコミットメントです。「項目を定める上で、みんなで一緒にできることなのだと感じてもらえるよう、多様性にあふれた言葉や表現を使いました」と何氏は話します。
外食が主流の台北は、台湾におけるグリーンダイニングガイドの起点と言えるでしょう。「緑食宣言を推進し始めたときは、最適なレストランを探すべく何件も訪問し、どのような支援ができるかを説明しました」と何氏は言います。
台北のグリーンレストランの現状:機会と課題
外食が主流の台北は、台湾におけるグリーンダイニングガイドの起点と言えるでしょう。「緑食宣言を推進し始めたときは、最適なレストランを探すべく何件も訪問し、どのような支援ができるかを説明しました」と何氏は言います。
「私たちが見つけたお店だけでなく、自主的に参加をしてくれた飲食店もあります。台北には現在約軒のグリーンレストランがありますが、このコンセプトに適した飲食店はもっとあるはずです」。
中国料理から西洋料理、カフェ、ベーカリー、ドリンクスタンドまで、台北にはさまざまなグリーンレストランがあります。植物由来の食材とグルテンフリーのベジタリアンメニューを提供する「Plants」というレストランもその一つです。
また、自然食を提供する「Ooh Cha Cha」というレストランとPlantsは英語表記のメニューがあることから外国人のお客さんも多く、どちらもヴィーガン料理を提供しているお店です。「小小蔬房」も、パイナップルのピクルスなどを台湾の食材と海外の料理を組み合わせたユニークなメニューを提供。使用されている野菜はいずれも、エコファーマーが栽培したものです。
何氏によれば、台北の消費者たちは受容性が高く、サスティナブルやオーガニック、地元産の食材にもオープンです。また、グリーンフードのコンセプトに対する理解も早く、環境保護などに貢献しようとグリーンレストランを選択する人たちが増えています。
レストランや関連する組織はグリーンダイニングガイドの繋がりを利用し、サスティナブルな環境へ配慮をしつつ、経済的に成長する方法を模索しています。リサイクル可能な容器の使用するために、飲食店が共同で製造元に交渉するなどがその例です。
コロナウィルスの蔓延による影響が大きい小規模なお店も、他店と協力をしていくことで危機的状況を回避し、成長を続けていることが何氏の喜びだと言います。こうした協力関係が、ウィンウィンの機会をより多く生み出すきっかけとなっていくことでしょう。
集団の強みとエコスフィアの推進
「無農薬農家、質の高いサプライヤー、飲食店、消費者の橋渡しとなるのが私たちの役目です」と何氏は主張します。彼女たちは飲食店を繋ぐだけでなく、「グリーンメディア」という媒体を運営し、農家や飲食店の経営者、消費者たちの情報共有の場を提供。食材に関するリサーチ結果やレシピなどをオンライン上でシェアしています。こうした活動を通じて、より多くの人々にグリーンイニシアチブの構想や環境的サステナビリティについて広める努力を続けています。
グリーンメディアは、グリーンレストランを見つけるためのプラットフォームでもあります。農業委員会農糧署の協力のもと、台湾全土のグリーンレストランや無農薬農家、ファーマーズマーケットなどを紹介するグリーンライフガイドマップを作成しました。
これにより消費者は食材の仕入れ元や生産者、それらの食材がどこでどのように育ったのかを知ることが可能です。
「消費者に対して正直であることは、グリーンレストランの基本です」と何氏は語ります。緑食宣言では消費者との信頼構築のため、飲食店には使用する食材や仕入元といった情報の開示を求めています。
グリーンレストランは、利益を追求するだけの従来のビジネスモデルとは異なります。「より良い食事を提供する」というコンセプトを重視し、その維持に努める小規模経営のお店が中心です。何氏は、そうした飲食店の繋がりを深め、利益を生み出しながらも、より環境に優しいサイクルが生まれることを目標としています。
グリーンダイニングガイド
サイト greenmedia.today/map_search.php
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