発表日:2021-12-10
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TAIPEI #26 (2021 冬季号)
神に仕える獣
虎爺の参拝ガイド
文: Catherine Shih
編集: 下山敬之
写真: Taiwan Scene
台湾でも中国語起源とする十二支の考えが普及していて、それぞれの動物に基づいた民俗文化が根付いています。来たる2022年は寅年ということで、《TAIPEI》では虎にまつわる台北の風習や信仰を紹介していきます。
虎爺
虎には獰猛なイメージがありますが、台湾では平和や守護の神様として知られていています。この虎は虎爺(フーイエ)と呼ばれており、道教における主神という扱いではなく、それらを支える従神です。また、地域や支える主神、各地に伝わる伝承などによっても呼称が変わり、天虎将軍、飛虎将軍、山軍尊神、下壇元帥、黒虎将軍とも呼ばれています。
虎爺の表情は猫のような顔をしていたり、人間のような微笑みを浮かべたりと虎らしさはありません。これは信仰を捧げる人たちに恐ろしいイメージを抱かせず、親近感が持てるような工夫を凝らしているためです。
▲台湾にある寺廟の多くは、虎爺を神様の祭壇の下や目立たない場所に設置していることが多いですが、民間信仰においては非常に重要な存在です。
虎は元々台湾に生息する動物ではないので、虎爺のイメージやコンセプトは中国から伝わったものです。漢民族に伝わる伝統的な風習によれば虎はその残忍さや凶暴さから畏敬の対象となっており、寅年の人は披露宴などめでたい式に参加してはいけないなどのタブーもあります。
現代では虎の印象も変わってきていますが、それでも相手を威嚇するイメージが強いことから、タブー視されている面もあります。ただ、こうした印象もまた虎が人々に与える影響力の裏付けと言えますし、こうした畏敬の念や道教の教えが混ざりあった結果、現代の台湾の虎爺信仰が生まれたのです。
虎爺の外見
虎爺は祭壇に祀られるか、民間信仰における主神の足元を支える台座として表現されることが多いです。姿は動物の虎に似たものが一般的で、台湾でもこれまでは同じような姿をしたものが大半でした。しかし、最近になって頭部が虎で体は人間の姿をした彫刻や人間が虎の皮をかぶった姿で表現されることが増えています。木や石製の像がほとんどですが、中には銅製のものや陶器製もあります。
▲金運上昇のご利益があると信じられていることから、寺廟では口にお金をくわえた虎爺の像が置かれています。
虎と聞くと獰猛なイメージがありますが、台湾では平和や守護の神様として知られていています。この虎は虎爺(フーイエ)と呼ばれており、道教における主神という扱いではなく、それらを支える従神です。また、地域や支える主神、各地に伝わる伝承などによっても呼称が変わり、天虎将軍、飛虎将軍、山軍尊神、下壇元帥、黒虎将軍とも呼ばれています。
虎爺の表情は猫のような顔をしていたり、人間のような微笑みを浮かべたりと虎らしさはありません。これは信仰する人たちに恐ろしいイメージを抱かせず、親近感が持てるような工夫されているためです。
虎爺の役割
土地公や保生大帝、西秦王爺、財神趙公明、道教祖張天師といった神様を祭る寺廟では、虎爺が主神を背に乗せた神像が大半です。
▲虎爺には悪霊を退治し民衆を守るという主な役割があることから台湾の人たちに広く受け入れられています。
虎爺は神様としての役割というよりも、番犬のような位置づけとなっていますが、近くに仕える主神から同じ神通力を授かり、自身も強力な神格を得たとされています。
例えば財神に付き添っていることから人々に財をもたらす力がある、あるいは保生大帝につき従っていることから病を癒す力があるなどです。虎爺の力は主神よりも劣りますが、祀られている寺廟の規模や主神の認知度に関わらず崇拝されています。
御利益には、厄払い、財産の保全、寺廟の守護、航海安全といったものがあり、参拝者を主神のもとへ導く案内役も担っていると言われています。
虎爺を祀っている寺廟と参拝方法
虎爺は主神に付き従う役目があるため、台湾の寺院では虎爺を参拝する場合でも伝統的に主神の下に供物を捧げます。しかし、場所によっては直接祭壇に供物を捧げる場所があったり、台湾の中部では虎爺自身を主神として祀ったりする新しい寺廟も増えているので注意が必要です。
▲台北府城隍廟の主神は城隍爺ですが、神様を乗せる存在として虎爺も祀られているので、ここでも虎爺の参拝ができます。
虎爺に捧げる供物で一般的なものは、豚肉、羊肉、牛肉、鶏卵、アヒルの卵、イカ、お酒などです。果物の場合は平和を表すリンゴ、厄除けや浄化を表す梨を捧げるケースが多く、逆にバナナやパイナップル、ブドウはトラブルを招くという理由からタブーとされています。
▲言い伝えによれば虎爺は生の肉や卵を好むと言われているので、参拝する際にはこれらをお供え物として準備しましょう。
台北で虎爺を参拝するのであれば、台北広堤宮の艋舺金虎爺会という場所がオススメです。ここは嘉義にある新港奉天宮から虎爺を迎えており、他の寺廟とは違って主祭壇に虎爺を祀っています。また、その獰猛さや守護する力の強さから城隍という都市の守護神とも考えられていて、台北府城隍廟でも参拝ができる他、萬華の台北天后宮にも祀られています。台北には数多くの寺廟がありますが、参拝する際は主神だけでなく足元にいる虎の神様にも敬意を払いましょう。
▲いくつかの寺廟では参拝者の運気や金運上昇の祈願をするために、虎爺に光を灯すサービスを提供しています。
神に仕える獣
虎爺の参拝ガイド
文: Catherine Shih
編集: 下山敬之
写真: Taiwan Scene
台湾でも中国語起源とする十二支の考えが普及していて、それぞれの動物に基づいた民俗文化が根付いています。来たる2022年は寅年ということで、《TAIPEI》では虎にまつわる台北の風習や信仰を紹介していきます。
虎爺
虎には獰猛なイメージがありますが、台湾では平和や守護の神様として知られていています。この虎は虎爺(フーイエ)と呼ばれており、道教における主神という扱いではなく、それらを支える従神です。また、地域や支える主神、各地に伝わる伝承などによっても呼称が変わり、天虎将軍、飛虎将軍、山軍尊神、下壇元帥、黒虎将軍とも呼ばれています。
虎爺の表情は猫のような顔をしていたり、人間のような微笑みを浮かべたりと虎らしさはありません。これは信仰を捧げる人たちに恐ろしいイメージを抱かせず、親近感が持てるような工夫を凝らしているためです。
虎は元々台湾に生息する動物ではないので、虎爺のイメージやコンセプトは中国から伝わったものです。漢民族に伝わる伝統的な風習によれば虎はその残忍さや凶暴さから畏敬の対象となっており、寅年の人は披露宴などめでたい式に参加してはいけないなどのタブーもあります。
現代では虎の印象も変わってきていますが、それでも相手を威嚇するイメージが強いことから、タブー視されている面もあります。ただ、こうした印象もまた虎が人々に与える影響力の裏付けと言えますし、こうした畏敬の念や道教の教えが混ざりあった結果、現代の台湾の虎爺信仰が生まれたのです。
虎爺の外見
虎爺は祭壇に祀られるか、民間信仰における主神の足元を支える台座として表現されることが多いです。姿は動物の虎に似たものが一般的で、台湾でもこれまでは同じような姿をしたものが大半でした。しかし、最近になって頭部が虎で体は人間の姿をした彫刻や人間が虎の皮をかぶった姿で表現されることが増えています。木や石製の像がほとんどですが、中には銅製のものや陶器製もあります。
虎と聞くと獰猛なイメージがありますが、台湾では平和や守護の神様として知られていています。この虎は虎爺(フーイエ)と呼ばれており、道教における主神という扱いではなく、それらを支える従神です。また、地域や支える主神、各地に伝わる伝承などによっても呼称が変わり、天虎将軍、飛虎将軍、山軍尊神、下壇元帥、黒虎将軍とも呼ばれています。
虎爺の表情は猫のような顔をしていたり、人間のような微笑みを浮かべたりと虎らしさはありません。これは信仰する人たちに恐ろしいイメージを抱かせず、親近感が持てるような工夫されているためです。
虎爺の役割
土地公や保生大帝、西秦王爺、財神趙公明、道教祖張天師といった神様を祭る寺廟では、虎爺が主神を背に乗せた神像が大半です。
虎爺は神様としての役割というよりも、番犬のような位置づけとなっていますが、近くに仕える主神から同じ神通力を授かり、自身も強力な神格を得たとされています。
例えば財神に付き添っていることから人々に財をもたらす力がある、あるいは保生大帝につき従っていることから病を癒す力があるなどです。虎爺の力は主神よりも劣りますが、祀られている寺廟の規模や主神の認知度に関わらず崇拝されています。
御利益には、厄払い、財産の保全、寺廟の守護、航海安全といったものがあり、参拝者を主神のもとへ導く案内役も担っていると言われています。
虎爺を祀っている寺廟と参拝方法
虎爺は主神に付き従う役目があるため、台湾の寺院では虎爺を参拝する場合でも伝統的に主神の下に供物を捧げます。しかし、場所によっては直接祭壇に供物を捧げる場所があったり、台湾の中部では虎爺自身を主神として祀ったりする新しい寺廟も増えているので注意が必要です。
虎爺に捧げる供物で一般的なものは、豚肉、羊肉、牛肉、鶏卵、アヒルの卵、イカ、お酒などです。果物の場合は平和を表すリンゴ、厄除けや浄化を表す梨を捧げるケースが多く、逆にバナナやパイナップル、ブドウはトラブルを招くという理由からタブーとされています。
台北で虎爺を参拝するのであれば、台北広堤宮の艋舺金虎爺会という場所がオススメです。ここは嘉義にある新港奉天宮から虎爺を迎えており、他の寺廟とは違って主祭壇に虎爺を祀っています。また、その獰猛さや守護する力の強さから城隍という都市の守護神とも考えられていて、台北府城隍廟でも参拝ができる他、萬華の台北天后宮にも祀られています。台北には数多くの寺廟がありますが、参拝する際は主神だけでなく足元にいる虎の神様にも敬意を払いましょう。
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