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​​​​​​​暮らしを支える4 つの要素 台北で送る快適な生活 (TAIPEI Quarterly 2023 春季号 Vol.31)

アンカーポイント

発表日:2023-03-14

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TAIPEI #31 (2023 春季号)


暮らしを支える4 つの要素
台北で送る快適な生活


文:Tina Teng、Genie Zheng 編集:下山敬之  
写真:Yuskay Huang、April Chen、Taiwan Scene、台北栄民総医院、帝門芸術教育基金会


台北は、英国の雑誌『Monocle』で行われた2022 年の住みやすい都市ランキングで第10 位に選出されました。他にもBBC など世界的なメディアでも世界で最も快適な都市に選ばれています。そんな台北の魅力は果たしてどこにあるのでしょうか?

IMG_5701 2▲台北市内にはたくさんの公園があり、市民があそこにまったりと時間を送ります。

今回、台北在住の異なるジャンルの専門家4 名をお招きし、芸術・文化、交通、グルメ、医療制度の観点から台北の魅力をご紹介いただきました。

台北市立美術館の館長を務める王俊傑(ワン・ジュンジエ)氏は、これまでの伝統の枠組みに囚われない台北の先進的なパブリックアートに関して、台北市政府交通局の総合企画課の課長を務める張鈞凱(ジャン・ジュンカイ)氏は、台北の交通ネットワークの利便性が旅行者や地元住民に与える影響を紹介しました。また、ライフスタイルジャーナリストの許育華(シュー・ユーファー)氏は、台北が世界的な「食の都」であると分析するその理由を話してくださって、中医学の開業医である羅珮琳(ルオ・ペイリン)氏は、海外から患者が訪れるほど高い台北の医療制度について教えて下さいました。

芸術
パブリックインスタレーションの流行発信基地

台北では、従来の大型パブリックアートからの脱却を図り、時代の先端を走るパブリックアートへの挑戦を行っています。王氏によれば、台北市政府が主体となり各種イベントやワークショップを開催しているほか、ドキュメンタリー映画を通じて地域住民の生活を記録することで、パブリックアートを日常へ浸透させる試みを行っているそうです。また、革新的なアプローチとして、アーティストを特定の地域に住まわせ、地域住民とともにパブリックアートを制作するアーティスト・イン・レジデンスも実施。地域の暮らしとアートを融合させた素晴らしい事例を生み出しています。

この他にも王氏は、2019年に台北市社会局が開催した「植変:身態園丁的大療癒術」という活動も好例として挙げています。このイベントではアーティスト、ソーシャルワーカー、クライアント、ボランティア、各コミュニティが様々なパブリック・アートに参加することで、それぞれがオープンに対話できる場を創出。参加者は花を植えることで作品制作に携わる達成感を味わえますし、地域コミュニティにも美しい景観が生まれ、街全体に活力を与えることができます。

台北都市発展局が実施した非物理的パブリックアート「芸居:家的進行式」も注目すべき活動です。このプロジェクトは、都市にパブリックアートを作り出す計画の第一弾で、アートを通じて生活空間の中に新たな想像力を生み出そうという企画。舞台芸術、アート・イン・レジデンス、常設インスタレーションという3つのアート形態を統合し、さらにドキュメンタリー映画や壁画を用いて、歴史的、文化的記憶の継承、社会正義、環境のサスティナビリティといった問題を取り上げています。このプロジェクトは現在、松山健康社宅、萬華青年社宅、文山興隆社宅、南港東明社宅などの公営住宅で実施されています。

102A5182_涂維政《移動博物館》文山興隆D2社宅▲興隆公営住宅にある「移動博物館」というインスタレーションは涂維政氏の作品です。( 写真/ 帝門芸術教育基金会)

羅斯福路にある台湾電力の本社ビルのパブリックアートも忘れてはいけません。ビルの入口の上には「日光域」という作品があり、これは古くなった街灯をリサイクルして作られました。台湾電力のイメージだけでなく、環境問題に取り組む社会の姿勢にも合致した複層的なアート作品です。

DSCF4107 (Copy)▲台電大楼の入口の上にあるエコをモチーフにしたパブリックアート「日光域」。( 写真/Yuskay Huang )

台北のパブリックアートは大型の物理的な作品だけではなく、演劇やメディア作品、地域住民が制作に参加できる企画が豊富にあることも大きな特徴なのです。

Jun-Jieh Wang2王俊傑
台北市立美術館の館長を務めるほか、現代芸術のコミュニティでも活動を行い、さまざまな組織のリーダーとしての経験を持つ。また、台北市立美術館と国立台湾美術館で諮問委員会と収蔵委員会も兼任している。


交通
グリーン化する都市
台北には現在、5本のメトロ路線と280本を超えるバス路線があります。加えて、シェアバイクの「YouBike 2.0」が13,000台配備されるなど交通手段が充実しています。これらを組み合わせることで、より便利かつ効率的に市内の移動が行えるのです。

DSCF4224-2 (Copy)▲台北市はMRTやバス、シェアサービスなど利便性の高い交通ネットワークが敷かれています。( 写真/ Yuskay Huang )

張氏によれば、YouBike の回転率は世界一を誇ります。回転率とは1台の自転車が1日に何回利用されたかを示すもので、台北でYouBike が1日平均10回ほど利用されています。また、カーボンニュートラルを目指し、路線バスのEV化を促進。2030年までに電動バスの利用率100%を目指すと張氏は話します。

台北交通局では公共交通機関の利用促進を優先しており、利便性の向上を図るために定期券の販売を始めました。価格は毎月NT$1,280で、MRT、バス(運賃が一定のものに限る)、淡海ライトレールが無制限で乗車可能。YouBikeも最初の30分間は無料で利用できます。

また、交通局では2015 年に「台北市鄰里交通環境改善計画」を立案しました。このプロジェクトは、路上にある駐車エリアの改修や狭い道路の歩道部分を緑色に塗り安全性を高めるなど、人々の生活環境をより快適にする施策です。

IMG_5688 (Copy)▲近年、台北市政府は路地における歩行者の安全性向上を目的とした計画をしています。

市政府では、歩行者に優しい交通環境の整備とサスティナブルな交通システムを確立し、安全かつ快適な交通ネットワークを構築することを目標としています。これによって、住民の生活が改善するだけでなく、観光客にも便利な移動手段の提供と発展していく台北の利便性を体験してもらうことができます。

Chun-Kai Chang2張鈞凱
台北市政府交通局総合企画課課長。交通政策の調査・立案、交通システムの総合企画、行政業務計画の監査・管理、交通データの収集、分析を担当。


グルメ
特大美食ホール
その都市の「美食」は、その地の食文化の豊かさが大きく影響を与えます。台北では台湾料理だけでなく、客家料理や中華料理、日本料理など文化的な繋がりのある料理が根付いています。さらに、台北の国際料理の水準は高く、フランスやイタリア、東南アジア、インド、トルコなど各国の料理が食べられます。台北は多彩な味覚が集まる場所なのです。

同時に食品を扱う様々な市場も台北の食を豊かにしている要因の1つです。例えば、南門や士東といった伝統的なマーケットや近代的なスーパー、食品を扱うセレクトショップなどがあり、いずれもグルメには欠かせない食品を提供しています。また、子連れやペット連れができるレストランがたくさんあり、どのような食べ物でも満足させることができ、台北は巨大なフードコートだと言っても過言ではありません。

多くの国や都市を旅してきたジャーナリストの許氏は、食について独自の見解を持っています。そんな彼女は、台北の人々の日常生活を見ると、食に対する重要性や熱意の高さが見てとれると言います。「美食」は会話の話題としてだけでなく、インターネット上やテレビ番組でも取り上げられるほど日常的なテーマだからです。

台北は早朝でも深夜でも、時間を問わずいつでも美味しいものに出会える街です。価格帯も様々で、NT$100の庶民的な味からNT$1,000を超える高級な味も体験できます。

長年、ドイツのベルリンに滞在してきた許氏は仕事柄、さまざまな国の人たちに出会うそうです。そんな中で、外国の友人が初めて台北を訪れる際にオススメするのが、鼎泰豊の小籠包。種類が多く、水準も高いことから、あらゆる文化の人々が楽しめるのだとか。また、牛肉麺も彼女のおすすめの1つ。「麺」は国際言語であり、台湾の牛肉麺は牛肉とスープのバランスがよく、外国人からの評価も高いと言います。

盛園絲瓜小籠包3@April (Copy)▲柔らかい挽き肉が入り、皮が薄くてジューシーな小籠包は、台湾を代表する料理だけでなく、外国人旅行者にも愛されています。( 写真/ April Chen )

許氏によれば、台北の日常生活や食文化を理解するのであれば、夜市や街角にある屋台料理を食べることが一番だそうです。特に中山区にある梁記嘉義鶏肉飯、大稲埕にある意麺王、中正区にある康楽意小吃店の中華まん、焼き中華まん、大根もちなどがおすすめ。この他にも紹介しきれないほど、台北には美食が溢れています。

IMG_1123 (Copy)IMG_5184 edited (Copy)▲麺類などの屋台料理は、観光客でも気軽に楽しめる台湾の味です。

友人へお土産を渡す機会が多い彼女にとって、最も無難な選択肢はパイナップルケーキだそうです。台湾の食文化を知ってもらう際には、国産フルーツを使用したドライフルーツを、イタリアやフランスの友人には、「ベジタリアンチーズ」と呼ばれる腐乳をプレゼントするそうです。

Kerstin Hsu2許育華
『Marie Claire』などの雑誌で活躍するライフスタイルジャーナリスト。デザインやライフスタイル、旅行、文化を専門とするライターでもあり、『Wallpaper* City Guide Taipei』で執筆をしている。


健康
高い評価を受ける医療制
台湾の医療制度は世界的に高い評価を受けていて、医療資源の大半が台北に集中しています。等級に応じて分けられた国民医療保険制度はにより、一般的な疾病は各科で診察を受け、必要に応じて規模の大きい病院を紹介します。それによって、安価な費用で治療が受けられるのです。また、台湾の国保は自国民だけでなく、外国人移住者も同様の恩恵が受けられます。そのため、外国人移住者はもちろん、海外に住んでいる人も治療のために台北を訪れます。

台北で何年も医療に携わっている羅氏によれば、ドイツ人の患者さんは台湾を訪問するたびに診察に訪れるそうです。ドイツでは中医学の診察を受けるのに時間がかかる上に、全て自費で払わなければならないので費用が高額です。

taipei-attraction-dadaocheng-5 by TS-Enhanced-edited2 (Copy)▲外国人の観光客は中医学の概念や、その保健と治療の効果にとても興味を持つようです。

人体の経路やツボ、薬草に精通している中医学は、外国人にとって西洋医学とは異なる魅力を持っています。例えば、手の痛みを訴えて受診した患者に対し、中医学の医師は患部だけを見るのではなく、睡眠習慣や気分を尋ねます。これは中医学の「望聞問切」という考え方によるものです。加えて、中医学の治療法は種類が多く、薬の処方や鍼、灸、湿布など様々な選択肢があります。

醫院大圖-Enhanced-edited▲台北にある大病院の多くは交通の便が良い所にあります。( 写真/ 台北栄民総医院 )

台北の医師は中医学と西洋医学の両方を学んでいる人や、留学経験のある人が多いです。外国語でのコミュニケーションが取れるので、中国語が話せない旅行者や外国人移住者でも診察が受けられます。また、一部の診療所では通訳サービスを行っている場所もあります。

Dr. Pei-Lin Lo2羅珮琳
婦人科、皮膚科、一般内科を専門とする璽悅中醫診所の院長を務める。メディア番組のコンサルタントや健康生活メディアでの執筆、中医学に関する著書の執筆などをしている。



 

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