発表日:2017-03-27
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羽ばたきに出会う旅
台北で聞く鳥たちの美声
文 _ 劉克襄 写真 _ 郭耿光 鳥声録音 _ 姜博仁
ある都市がレジャーや娯楽を大事にし、不可欠な生活の要素とみなすなら、自然に配慮した多様で豊かな環境が少しずつ整備されていくのが常です。この数十年、台北でも多くの池や湖、公園が保存されてきました。さらに数々の沼や湿地、原野や山林に対してもさまざまな保全・整備措置がとられています。こういった場所には各種の動物が引きつけられて生息するようになり、この都市を自然豊かな場所へと変貌させています。

▲ 灰喉山椒(ベニサンショウクイ)のオスは、まるでトウガラシが木々の梢に一本一本掛けられたような姿をしているため、中国語でも「紅山椒」の名を持っています。(写真/郭耿光)
鮮やかな落ち葉のようなベニサンショウクイ
ベニサンショウクイ(中国語名・灰喉山椒)は低・中海抜の山地でよく見られる留鳥(年中同じ場所に定住する鳥類)です。体型はほっそりと長く、オスとメスの羽色は全く異なっています。山へ登ってバードウォッチングをする多くの人が、まずこの鮮やかな羽色に引きつけられます。自然界の法則では、しばしばオスの羽色は美しく、メスはそれと比べて地味なものです。しかしベニサンショウクイはそれぞれ、オスはきれいな赤、メスは鮮やかな黄色で、どちらも目を奪う美しい色をしています。

▲ 秋から冬にかけ、山の木々が黄色や赤に色づき、その間に降り立つベニサンショウクイは美しい飾り物のようです。(写真/郭耿光)

▲ 一般の鳥のメスが地味なのと違い、ベニサンショウクイのメスは鮮やかな黄色をしています。(写真/郭耿光)
オスはトウガラシが木の梢に1本1本掛けられた姿にそっくりなので、かつては中国語でも「紅山椒」と呼ばれていました。ベニサンショウクイのほとんどは原生林の樹冠の中・上層部で活動します。その姿形は美しく、「シーシー、シーシー」という鋭い鳴き声を絶え間なく発していて、まるでモデルたちが集まってにぎやかでおしゃれなパーティーを開いているかのようです。
秋冬の山地で木々の葉が赤や黄色に変わる頃、その中に降り立ったベニサンショウクイはまるでぶらさげられた美しい飾りのようです。そしてあの目が覚めるような羽色が最高の保護色となります。彼らが去って、群れを成して山や谷間を飛ぶ姿は色鮮やかな落ち葉にそっくりです。
冬になるとベニサンショウクイは低海抜の山地まで下りてきて、人を恐れません。猫空や二格山などで、彼らの美しい姿を見るチャンスが多くあります。

▲ ズグロミゾゴイが都市の中で安心して生息できるかどうかは、地元の人々が鳥類の命を大事にしているかどうかの指標となっています。(写真 /郭耿光)
キャンパスの「大バカ鳥」ズグロミゾゴイ
外見があまり鮮やかではないズグロミゾゴイ(別名「大バカ鳥」)はニワトリのように大きく、ひっそりと静かな低海抜の森林を好みます。かつては珍しいサギ科の鳥類で、渡り鳥だと見なされていました。しかしこの数年、バードウォッチング人気が高まって多くの記録がとられるようになり、ズグロミゾゴイは低海抜の森林だけでなく木々の生い茂る学校や公園の緑地でもその楽しそうな姿が見られることが分かっています。
春夏の夜、もし途切れず低い音で「ドウ」と鳴く声が大きくはっきりと聞こえたら、近くの緑地で彼らが繁殖しているとほぼ断言できます。
餌を探す時、彼らは泥に生えた草地をゆっくりと移動して、地面の下で獲物が動いていないか耳を澄まします。獲物がいると分かると、すぐさま相手に逃げる隙を与えない素早さで捕らえて食べます。ミミズなどの地面の下の生き物をくわえて引きずり出したり、時々地面の爬虫類や両生類を食べることもあります。
現在、いくつかの学校では鳥類の生活環境を尊重し、繁殖期には監視を行って学生に鳥たちを邪魔をしないよう呼びかけています。長い時を経て、キャンパスにいるズグロミゾゴイの多くは一般のサギ科の鳥類よりも人を恐れなくなりました。彼らは人間から2~3メートルの距離で活動することに慣れており、安心して餌をついばんだり、じっと動かず立っていたりしてマイペースな様子です。しかし一旦近寄れば、すぐに飛び去ってしまいます。
▲ 木々が生い茂る学校などでは、ズグロミゾゴイの姿がますます見られるようになっています。(写真/郭耿光)
このように、彼らが都会で安心して暮らせることは、そこに暮らす人々が鳥たちを尊重しているかどうかを測るもうひとつの指標となっています。
書籍情報
本文は台北市観光伝播局の書籍『在街角、遇到飛行(街角で、羽ばたきに出会う)』から抜粋したものです。本書は自然生態作家の劉克襄さんによって執筆され、台北市でよく見られる50種類の鳥を紹介しています。またQRコードから鳥の鳴き声を聞くことができ、読者を耳で楽しむ大自然の饗宴に誘います。
台北で聞く鳥たちの美声
文 _ 劉克襄 写真 _ 郭耿光 鳥声録音 _ 姜博仁
ある都市がレジャーや娯楽を大事にし、不可欠な生活の要素とみなすなら、自然に配慮した多様で豊かな環境が少しずつ整備されていくのが常です。この数十年、台北でも多くの池や湖、公園が保存されてきました。さらに数々の沼や湿地、原野や山林に対してもさまざまな保全・整備措置がとられています。こういった場所には各種の動物が引きつけられて生息するようになり、この都市を自然豊かな場所へと変貌させています。
▲ 灰喉山椒(ベニサンショウクイ)のオスは、まるでトウガラシが木々の梢に一本一本掛けられたような姿をしているため、中国語でも「紅山椒」の名を持っています。(写真/郭耿光)
鮮やかな落ち葉のようなベニサンショウクイ
ベニサンショウクイ(中国語名・灰喉山椒)は低・中海抜の山地でよく見られる留鳥(年中同じ場所に定住する鳥類)です。体型はほっそりと長く、オスとメスの羽色は全く異なっています。山へ登ってバードウォッチングをする多くの人が、まずこの鮮やかな羽色に引きつけられます。自然界の法則では、しばしばオスの羽色は美しく、メスはそれと比べて地味なものです。しかしベニサンショウクイはそれぞれ、オスはきれいな赤、メスは鮮やかな黄色で、どちらも目を奪う美しい色をしています。
▲ 秋から冬にかけ、山の木々が黄色や赤に色づき、その間に降り立つベニサンショウクイは美しい飾り物のようです。(写真/郭耿光)
▲ 一般の鳥のメスが地味なのと違い、ベニサンショウクイのメスは鮮やかな黄色をしています。(写真/郭耿光)
オスはトウガラシが木の梢に1本1本掛けられた姿にそっくりなので、かつては中国語でも「紅山椒」と呼ばれていました。ベニサンショウクイのほとんどは原生林の樹冠の中・上層部で活動します。その姿形は美しく、「シーシー、シーシー」という鋭い鳴き声を絶え間なく発していて、まるでモデルたちが集まってにぎやかでおしゃれなパーティーを開いているかのようです。
秋冬の山地で木々の葉が赤や黄色に変わる頃、その中に降り立ったベニサンショウクイはまるでぶらさげられた美しい飾りのようです。そしてあの目が覚めるような羽色が最高の保護色となります。彼らが去って、群れを成して山や谷間を飛ぶ姿は色鮮やかな落ち葉にそっくりです。
冬になるとベニサンショウクイは低海抜の山地まで下りてきて、人を恐れません。猫空や二格山などで、彼らの美しい姿を見るチャンスが多くあります。
▲ ズグロミゾゴイが都市の中で安心して生息できるかどうかは、地元の人々が鳥類の命を大事にしているかどうかの指標となっています。(写真 /郭耿光)
キャンパスの「大バカ鳥」ズグロミゾゴイ
外見があまり鮮やかではないズグロミゾゴイ(別名「大バカ鳥」)はニワトリのように大きく、ひっそりと静かな低海抜の森林を好みます。かつては珍しいサギ科の鳥類で、渡り鳥だと見なされていました。しかしこの数年、バードウォッチング人気が高まって多くの記録がとられるようになり、ズグロミゾゴイは低海抜の森林だけでなく木々の生い茂る学校や公園の緑地でもその楽しそうな姿が見られることが分かっています。
春夏の夜、もし途切れず低い音で「ドウ」と鳴く声が大きくはっきりと聞こえたら、近くの緑地で彼らが繁殖しているとほぼ断言できます。
餌を探す時、彼らは泥に生えた草地をゆっくりと移動して、地面の下で獲物が動いていないか耳を澄まします。獲物がいると分かると、すぐさま相手に逃げる隙を与えない素早さで捕らえて食べます。ミミズなどの地面の下の生き物をくわえて引きずり出したり、時々地面の爬虫類や両生類を食べることもあります。
現在、いくつかの学校では鳥類の生活環境を尊重し、繁殖期には監視を行って学生に鳥たちを邪魔をしないよう呼びかけています。長い時を経て、キャンパスにいるズグロミゾゴイの多くは一般のサギ科の鳥類よりも人を恐れなくなりました。彼らは人間から2~3メートルの距離で活動することに慣れており、安心して餌をついばんだり、じっと動かず立っていたりしてマイペースな様子です。しかし一旦近寄れば、すぐに飛び去ってしまいます。
このように、彼らが都会で安心して暮らせることは、そこに暮らす人々が鳥たちを尊重しているかどうかを測るもうひとつの指標となっています。
本文は台北市観光伝播局の書籍『在街角、遇到飛行(街角で、羽ばたきに出会う)』から抜粋したものです。本書は自然生態作家の劉克襄さんによって執筆され、台北市でよく見られる50種類の鳥を紹介しています。またQRコードから鳥の鳴き声を聞くことができ、読者を耳で楽しむ大自然の饗宴に誘います。
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