発表日:2017-03-22
3559
世界に台湾の名を刻め
卓球・江宏傑選手――
目指すは台北ユニバの金メダル
文 _ 謝瑩潔
写真 _ 李庭歓、台北市観光伝播局
身長180 センチメートル、活力にあふれ、品があり礼儀正しい江宏傑選手はまるで、流行りのドラマから飛び出してきた俳優のようです。涼し気な目元に誠実な笑みをたたえて話すその姿からは、試合中、気迫のこもった鋭い眼差しであらゆる球を正確に打ち返す世界最高レベルの卓球選手だとは想像もできません。
先ごろ卓球男子団体・台湾代表3 人目の選手としてリオデジャネイロ五輪に出場した江選手は、ジュニア時代から台湾代表として活躍、ユースで世界一になるまでになり、台湾国内でも全国選手権で連続優勝を重ねました。またユニバーシアードではこれまでシングルス、ダブルス、混合ダブルスで金メダルを獲得しており、国際卓球連盟(ITTF)のワールドツアーでも上位入賞の常連となっています。さらに2017 年開催の台北ユニバーシアードでもメダル獲得が期待できる有力選手として注目される彼は、「ユニバでは男子団体の金メダルだけは取ったことがありませんから、それが来年の目標です」と意気込みを語っています。

▲ 国際大会でメダル獲得の常連となっている江宏傑選手は、2017年台北ユニバでも好成績が期待されます。(写真/台北市観光伝播局)
きっかけは「昼寝嫌い」
意外な成果に
小学校3 年生の頃、江選手は昼寝(台湾の小中学校・高校では昼食後に昼寝の時間があります)が嫌いで毎日、風紀委員に注意を受けていたそうです。そんな彼は、教師に卓球でもやってみなさいと命じられ、ラケットを手に取ったところ、これが思いの外おもしろくて夢中になり、一日中、ピンポン球を追い回すようになりました。しかし江選手の家族は一時期、学業に支障が出るのではと心配になり、彼が卓球に打ち込むことに反対していたといいます。当時を振り返る江選手は、「両親が夜、テレビを見ている間、ぼくはずっと横で壁に向かってピンポン球を打ち続けていましたから、父は煩わしくなって学校の卓球チームに入ることを許してくれました」と笑います。それからというもの、彼は卓球を続けたい一心で勉強にも全力で取り組むようになりました。
小学校を卒業した江選手は、卓球の夢を追い、故郷の新竹を離れて台南の名門トレーニングセンターに入門。そこで林忠雄、呉文嘉、蒋澎龍といった名コーチや名選手に指導を受けました。当時のことを江選手は「甘やかされて育ったので家を離れての団体生活はちょっと大変でしたが、あこがれの蒋澎龍選手と一緒にプレーできることは本当にうれしかったです」と語っています。
粘り強さが成功の鍵
一流のスポーツ選手にとって肉体と心の鍛錬はひと続きだといいます。江選手は「挫折に直面し、それまでの自分を壊して一から積み上げ、また壊しては積み上げるという繰り返しの中で徐々に強靭な心が培われていくのです」と語ります。また、「誰でもスランプに陥ることがあるという意味では、条件に大きな差はありません。しかし他人より1 時間でも、1 日でも粘り続け、これを蓄積していけば成功する可能性は高くなります」と強調します。
長年にわたる試合経験を通じ、江選手は常に心の平静を保つことができるようになりました。試合に負けた時はやはりくやしいのですが、それでも相手を研究し、自分のミスを改め、心と身体を最高のコンディションに仕上げることがより重要だということを心得ています。敗戦から立ち直ることは簡単ではありません。しかし何とかして立ち上がり、次の試合の勝利を目指してまたコートに向かいます。
栄冠をつかみ
台湾を世界に発信
現在、世界ランク76 位(過去最高位は47 位)の江選手は、今年開催のリオ五輪、および2017 年の台北ユニバーシアードに向けた準備のため、体力アップ、ダッシュ、なわとび、筋持久力トレ、肺活量アップなど多様なトレーニングを日々こなしています。このほか目下、中国や日本、韓国、ロシアの選手を想定した厳しい練習を行っており、対戦相手の戦術やくせを研究することで自信を植え付けているそうです。
「試合に勝って表彰台に上り、台湾のオリンピック会旗が翻る光景を目にするのは、鳥肌が立つほど感動的で、台湾人としての誇りと栄誉を感じる瞬間です」——そう語る江選手は、ホーム開催となる来年の台北ユニバについて「男子団体戦で金メダルと取って、台湾がすごい国なんだということを全世界に知らしめたいと心から思います」と決意を新たにしています。

▲ (写真/李庭歓)
江宏傑選手の主な戦績
2006 年 ITTF ワールドジュニアサーキット・ファイナル−男子シングルス優勝
2007 年 ユニバーシアード(バンコク)−男子ダブルス3 位、男子団体3 位
2008 年 ITTF ワールドツアー・グランドファイナル(U21 部門)−男子シングルス優勝
2009 年 ユニバーシアード(ベオグラード)−男子シングルス優勝、混合ダブルス優勝
2013 年 ユニバーシアード(カザン)−男子ダブルス優勝、男子団体3 位
2013 年 全国卓球選手権大会−男子シングルス優勝、男子ダブルス優勝、男子団体優勝
2015 年 ユニバーシアード(光州)−男子ダブルス優勝、混合ダブルス2 位、男子団体3 位
2016 年 全国大学・専科学校・大学院運動会(インカレ)−男子ダブルス優勝
卓球・江宏傑選手――
目指すは台北ユニバの金メダル
文 _ 謝瑩潔
写真 _ 李庭歓、台北市観光伝播局
身長180 センチメートル、活力にあふれ、品があり礼儀正しい江宏傑選手はまるで、流行りのドラマから飛び出してきた俳優のようです。涼し気な目元に誠実な笑みをたたえて話すその姿からは、試合中、気迫のこもった鋭い眼差しであらゆる球を正確に打ち返す世界最高レベルの卓球選手だとは想像もできません。
先ごろ卓球男子団体・台湾代表3 人目の選手としてリオデジャネイロ五輪に出場した江選手は、ジュニア時代から台湾代表として活躍、ユースで世界一になるまでになり、台湾国内でも全国選手権で連続優勝を重ねました。またユニバーシアードではこれまでシングルス、ダブルス、混合ダブルスで金メダルを獲得しており、国際卓球連盟(ITTF)のワールドツアーでも上位入賞の常連となっています。さらに2017 年開催の台北ユニバーシアードでもメダル獲得が期待できる有力選手として注目される彼は、「ユニバでは男子団体の金メダルだけは取ったことがありませんから、それが来年の目標です」と意気込みを語っています。
▲ 国際大会でメダル獲得の常連となっている江宏傑選手は、2017年台北ユニバでも好成績が期待されます。(写真/台北市観光伝播局)
きっかけは「昼寝嫌い」
意外な成果に
小学校3 年生の頃、江選手は昼寝(台湾の小中学校・高校では昼食後に昼寝の時間があります)が嫌いで毎日、風紀委員に注意を受けていたそうです。そんな彼は、教師に卓球でもやってみなさいと命じられ、ラケットを手に取ったところ、これが思いの外おもしろくて夢中になり、一日中、ピンポン球を追い回すようになりました。しかし江選手の家族は一時期、学業に支障が出るのではと心配になり、彼が卓球に打ち込むことに反対していたといいます。当時を振り返る江選手は、「両親が夜、テレビを見ている間、ぼくはずっと横で壁に向かってピンポン球を打ち続けていましたから、父は煩わしくなって学校の卓球チームに入ることを許してくれました」と笑います。それからというもの、彼は卓球を続けたい一心で勉強にも全力で取り組むようになりました。
小学校を卒業した江選手は、卓球の夢を追い、故郷の新竹を離れて台南の名門トレーニングセンターに入門。そこで林忠雄、呉文嘉、蒋澎龍といった名コーチや名選手に指導を受けました。当時のことを江選手は「甘やかされて育ったので家を離れての団体生活はちょっと大変でしたが、あこがれの蒋澎龍選手と一緒にプレーできることは本当にうれしかったです」と語っています。
粘り強さが成功の鍵
一流のスポーツ選手にとって肉体と心の鍛錬はひと続きだといいます。江選手は「挫折に直面し、それまでの自分を壊して一から積み上げ、また壊しては積み上げるという繰り返しの中で徐々に強靭な心が培われていくのです」と語ります。また、「誰でもスランプに陥ることがあるという意味では、条件に大きな差はありません。しかし他人より1 時間でも、1 日でも粘り続け、これを蓄積していけば成功する可能性は高くなります」と強調します。
長年にわたる試合経験を通じ、江選手は常に心の平静を保つことができるようになりました。試合に負けた時はやはりくやしいのですが、それでも相手を研究し、自分のミスを改め、心と身体を最高のコンディションに仕上げることがより重要だということを心得ています。敗戦から立ち直ることは簡単ではありません。しかし何とかして立ち上がり、次の試合の勝利を目指してまたコートに向かいます。
栄冠をつかみ
台湾を世界に発信
現在、世界ランク76 位(過去最高位は47 位)の江選手は、今年開催のリオ五輪、および2017 年の台北ユニバーシアードに向けた準備のため、体力アップ、ダッシュ、なわとび、筋持久力トレ、肺活量アップなど多様なトレーニングを日々こなしています。このほか目下、中国や日本、韓国、ロシアの選手を想定した厳しい練習を行っており、対戦相手の戦術やくせを研究することで自信を植え付けているそうです。
「試合に勝って表彰台に上り、台湾のオリンピック会旗が翻る光景を目にするのは、鳥肌が立つほど感動的で、台湾人としての誇りと栄誉を感じる瞬間です」——そう語る江選手は、ホーム開催となる来年の台北ユニバについて「男子団体戦で金メダルと取って、台湾がすごい国なんだということを全世界に知らしめたいと心から思います」と決意を新たにしています。
▲ (写真/李庭歓)
江宏傑選手の主な戦績
2006 年 ITTF ワールドジュニアサーキット・ファイナル−男子シングルス優勝
2007 年 ユニバーシアード(バンコク)−男子ダブルス3 位、男子団体3 位
2008 年 ITTF ワールドツアー・グランドファイナル(U21 部門)−男子シングルス優勝
2009 年 ユニバーシアード(ベオグラード)−男子シングルス優勝、混合ダブルス優勝
2013 年 ユニバーシアード(カザン)−男子ダブルス優勝、男子団体3 位
2013 年 全国卓球選手権大会−男子シングルス優勝、男子ダブルス優勝、男子団体優勝
2015 年 ユニバーシアード(光州)−男子ダブルス優勝、混合ダブルス2 位、男子団体3 位
2016 年 全国大学・専科学校・大学院運動会(インカレ)−男子ダブルス優勝
関連写真
:::
人気の記事
TAIPEI Quarterly 2016 秋季号 Vol.05
2017 年台北ユニバまであと1 年 熊讃ブラボーお誕生日おめでとう! (TAIPEI Quarterly 2016 秋季号 Vol.05)
NBA 挑戦の軌跡 ジェレミー・リン 「自分を信じれば夢はかなう」 (TAIPEI Quarterly 2016 秋季号 Vol.05)
卓球・江宏傑選手―― 目指すは台北ユニバの金メダル (TAIPEI Quarterly 2016 秋季号 Vol.05)
台北でグリーンな1 日を満喫 (TAIPEI Quarterly 2016 秋季号 Vol.05)
台北東部でハイキング 森を楽しもう 都会の隣に広がる 美しい森林へ (TAIPEI Quarterly 2016 秋季号 Vol.05)












