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素顔の台湾-鐘永和60年の足跡

アンカーポイント

発表日:2016-05-16

更新日:2016-09-23

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素顔の台湾-鐘永和60年の足跡

2016/04.21~2016/06/12

写真とは、目の前の一瞬の風景や出来事を、カメラのシャッターひとつで切り取るものです。写真の発明は、人類の生活の記録方法に変化をもたらしました。写真は、消えゆく時を歴史の貴重な一コマとして留めるだけのものではありません。「事実を写す」写真は、強い写実性と批判性を持ち、政治的な宣伝や社会改革の中で無視しえない役割を演じてもいます。イギリスの写真家、ブライン・キャンベル(Bryn Campbell)は、明言しています。「美意識とヒューマニズム。写真にとって最も大切なのは、この二つです」。つまり、「綺麗」に撮るだけが写真ではないのです。美しい写真で人目を喜ばせるだけでなく、世の中を変えることもできるもの、それが写真なのです。

 

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 人文写真家の鐘永和は、1980年代から、特に街やムラの生活に関心を向けて、台湾を記録し始めました。氏は、「生活行脚・人文触角(生活の場を巡り、文化に触れる)」をモットーに、35年来台湾各地を遍く訪ね歩き、各地それぞれの風光や文化をレンズに収めて来ました。そして、鋭敏な心と感受性豊かな眼が、瞬間的な感動をそのレンズで捉え、流れ行く歳月の中に現れるそれぞれの台湾を永遠の一瞬に留めて来たのでした。氏の作品は、間違いなく時代の相貌と社会の変遷の記録であり、写真家の内なる情感の記録でもあり、そこには、その奥深い美意識と人文的素養が顕れています。氏の作品を観ると、あたかも台湾という地が刻んだ歴史を読んでいるかのようです。

 

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 「映像・写真の保存」は、既に世界各国の文化機構で重視されるようになっています。当館は、これまでも台湾の映像・写真記録の収集と保存に力を入れて来ました。そこで、今回、鐘永和先生の60年の人生と35年にわたる撮影の歳月をまとめ、「素顔の台湾」と題して展覧会を開催します。「土地」・「人情」・「生活風景」の三つのテーマを設定し、選りすぐりの作品60枚に鐘永和氏の巧みで飾り気のない短文を添えてご覧いただきます。どの作品にも、氏の台湾の人々の生活に対する思いの深さが表れています。

 

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本展は、鐘先生のご友人で、文芸界で活躍している多くの方々にも、分野の違いを越えてご協力をいただきました。このように写真と文学が一緒になって盛り立てる展覧会は滅多にありません。この得難い場で、写真が写し取った台湾の日々の生活を、心打つ物語として残して行きたいと思います。

 今回の展覧会と座談会が、台湾の生活の美について語り合うきっかけとなるだけでなく、古来人々が台湾という土地に託してきた思いとそこに生み出した文化を回顧し、多くの方々に写真を台湾の改善に役立たせる方法を考えていただき、より良い未来を創り出すきっかけとなりましたら、幸いです。

 

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http://www.nmh.gov.tw/jp/exhibition_2_1_22_804.htm

資料出所/国立歴史博物館

 

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