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台北観光サイト

TAIPEI 2016夏季号 Vol.04—思い出の味も縁結びも 大稲埕を楽しもう

アンカーポイント

発表日:2016-07-12

更新日:2016-09-23

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思い出の味も縁結びも 大稲埕を楽しもう

文 _ 杜佳穎
写真 _ 台北市観光伝播局、邱如仁

7.2.1_「加福」現烤出爐的奇士蛋糕。(圖/台北市政府觀光傳播局提供).jpg
1. 「 加福」の焼きたてケーキ(。写真/台北市観光伝播局)

パン作りの世界に入って20 年、多くの人にどの店の洋菓子やパンが一番好きか聞かれます。その答えは私が生まれた台北の古い町、百年の歴史を持つ大稲埕から語らなくてはなりません。ここには台北最古の洋食レストラン「ボレロ(波麗路西餐廳)」があります。また創業からすでに71 年を迎える「双福食品」のタマゴハムサンドは、子どもの頃からお気に入りの朝食です。お茶のお伴なら「加福」の「奇士蛋糕」(パイ包みスポンジケーキ)が最高です。この「福」の字を持つ2 つの店によって、私は洋菓子の魅力に目覚め、デザート作りの道を究めることを決意したのです。

こだわり貫く老舗店
30 年以上前、チェーンの朝食店がまだ流行り出していなかった頃です。私は幸運にも民生西路にある双福食品のサンドイッチを毎日食べることができました。焼きたてトーストに作りたてのマヨネーズを塗り、黄金色に焼かれた卵焼きとハムを挟んだものです。ひとつ8 元が今は16 元となりましたが、質を保つため30 年間同じ人たちによって作られています。
外から見えるようになっている厨房の中では、あの時のお姉さんが白髪のおばさんになって今も変わらず毎日手作りと作りたてを貫いています。ひと口食べるごとにマヨネーズの滑らかさと卵焼きの香ばしさが広がり、普通の朝食屋さんのサンドイッチと違って全く油っこくありません。今でも私は朝ごはんならまずこのサンドイッチを選びます。一度食べ始めたら止まらなくなり、3つ食べてようやく満足します。
民生西路から迪化街へ向かう途中、延平北路を通り過ぎます。交差点に到着するとすぐ「加福奇士蛋糕専門店」から焼きたてのパイ生地の香りがしてきます。この店も30 年以上続く老舗です。他の店でも同じようなケーキが売られていますが、油っこくて皮が分厚いです。しかし「加福」のケーキはパイ生地が薄く、しょっぱいバターの香りが漂います。中のスポンジ部分はしっとりと柔らかくて、焼きたてのあつあつをほおばれば食べる人の心までとろけます。冷やして食べればひんやりしたパイ生地と冷たいスポンジの食感がさらに爽やかです。

7.2.2_品嘗加福奇士蛋糕專門店的奇士蛋糕,讓人心都融化了。(邱如仁攝).jpg
2. 「 加福奇士蛋糕専門店」の「奇士蛋糕」(パイ包みスポンジケーキ)を食べれば、心までとろけます。(写真/邱如仁)

歴史ある町の風情を楽しもう
この「福」の字を持つ2 つの店はどちらもMRT 双連駅から行くことができます。先にサンドイッチを食べて、それから迪化街でケーキを食べてはいかがでしょうか。途中には愛する相手と家族になる願いをかなえてくれる台北霞海城隍廟があり、恋愛運と結婚運アップを祈願ができます。この廟(道教の寺)では「平安茶」という飲み物を無料で提供しています。これは地元の漢方薬店が売っているナツメ、クコの実、ローゼル、菊の花、梅干し、喜糖(披露宴で配られる縁起のいい飴)を煮て作ったものです。迪化街へ来たらこの廟のめでたい雰囲気を味わい、良いご縁を願うのもよいでしょう。
また大稲埕周辺は台北最大の各地の食品、漢方薬、お菓子の卸売り店や、パンやクッキーなどの材料を売る店が集まる地域で、思う存分買い物ができます。あるいはおしゃれな雑貨屋さんやカフェを巡って、アートな雰囲気にひたってもよいでしょう。身体を動かしたければ大稲埕碼頭河浜公園へ行って散歩したり、夕陽を見たり、自転車で専用車道を北へ走って社子島へ行ったり、南へ向かって万華まで行くこともできます。道中には、川べりの砂洲や草花など素晴らしい景色が広がります。またシラサギの住みかも多く、私がいつもお菓子を食べた後カロリーを消費しに行く最高の場所です。お金が全くかからないだけでなく美しい風景が楽しめますし、おやつを持ってピクニックもできます。本当に幸せを感じます。
 

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