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TAIPEI 2016春季号 Vol.03—ワールド・デザイン・キャピタル2016 台北でデザインの花開く

アンカーポイント

発表日:2016-06-17

更新日:2016-09-23

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文 _ 趙欣
写真 _ 台北市文化局提供
今年、台北市はデザインによる都市振興プロジェクト「ワールド・デザイン・キャピタル(World Design Capital、以下WDC)」を開催します。約3 年間の取り組みと準備を経て、デザインが地域コニュニティから世界へと羽ばたきます。景観や街角などに少しずつ改造がなされ、台北のあちこちで思いがけないサプライズが待っています。国際的なデザインの推進よって、さらに多くの人が台北の姿を目にし、台北でデザインを楽しむことになるでしょう。
このプロジェクトは住居、市場、地域コミュニティ、キャンパス、道路から町へ、さまざまな場所で行われます。環境美化、デザイン思考の導入、サービスの改善、新たな公共施設の建設まで形式の制限はありません。また小規模のレッスン、講座、体験イベント、ワークショップから大規模のフォーラム、展覧会、パブリックアートまで活動の種類も問いません。この都市の暮らしを作る一員であれば、誰もが日常の中からデザインの価値を体験し、さらに都市の変化を感じることができるもというのです。

1_透過舉辦2016台北世界設計之都,把設計帶入日常每個角落,讓台北處處是驚喜。.jpg
▲「 WDC 2016台北」ではデザインが生活に入り込み、台北のあちこちにサプライズが待っています。
台北 世界のデザイン・
キャピタルに
「WDC」は、国際インダストリアルデザイン団体協議会(International Council of Societiesof Industrial Design、略称Icsid)による世界的なイベントです。WDC の選出は2 年に一度行われます。これまで選ばれた都市は、2008 年のイタリア・トリノ、2010 年の韓国・ソウル、2012 年のフィンランド・ヘルシンキ、2014年の南アフリカ・ケープタウン、2016 年の台湾・台北となっています。

2_2016台北世界設計之都的形象標誌將中央設計成十字星光芒,象徵台北向四面八方多元發展。.jpg
▲シンボルマークの中央にある十字星は、台北がさまざまな場所で多元的に発展していくことを象徴しています。
審査団がこれらの都市を選定した理由は、デザイン産業の発展に適した環境を積極的に作り出しているからだけでなく、デザイン思考の運用について理解しており、都市が直面する重大な問題に対して人々に称賛される解決方法を見出し、都市の未来像とモデルを生み出しているからです。
台北のデザイン能力は高く、全世界のデザイン競争力のランキングで第13 位です。それだけではなく世界的なインダストリアルデザインの産業チェーンも有しています。2003 年から現在までに、ドイツのiF デザイン賞、レッド・ドット賞、日本のグッドデザイン賞、米国のインターナショナル・デザイン・エクセレンス賞(IDEA)など国際的に知られたデザインコンペティションで2,100件以上の受賞歴があります。

3_台北市以龍鱗裝卷軸造型設計投標書,展現競逐世界設計之都的企圖心。.jpg
▲「 龍鱗装」で装丁された入札書は台北市のWDCへの情熱を表しています。
シンボルマーク
イメージカラーの意味とは
「WDC2016 台北」のシンボルマークはシンプルですが、ある意味が込められています。交わる縦線と横線は理性と感性の結合を表し、国際都市の中における台北市の位置を描き出しています。中央に光る十字星は、台北が歩む未来の方向性を表しています。台北市が中心となってさまざまな場所で多元的に発展し、デザインの力を都市再生の細胞としてさらに豊かな創造力を都市に注ぎ込みます。
「WDC2016 台北」開催にあたり、台北市は「紫」をイメージカラーに選びました。紫は赤、黄、青の3色が混ざり合った色です。これは情熱と活気、文化クリエイティブとスマートテクノロジー、奔放さと上品さを示し、台北がカルチャーとテクノロジーが織りなすデザインの都市であることを表しています。都市の多元的な発展とたゆまぬ向上を十分に象徴1 するものです。

4_龍鱗裝投標書承襲中國古代書卷的傳統裝幀,展開後即為一幅完整圖畫,頁頁都是驚喜。.jpg
▲「 龍鱗装」は中国古代の伝統的な装丁で、広げると1枚の絵が現れてページをめくるたび嬉しい驚きがあります。
台北市は2012 年末からWDCへ向けて準備を開始しました。勝負の決め手は他にはない「龍鱗装」のデザインで作られた入札書とPR 映像でした。またレッドドット賞とiF デザイン賞の受賞歴も認められました。「龍鱗装」とは中国古代の巻物に見られる伝統的な装丁で、これに現代デザインの要素を取り入れたのです。中華文化で幸運をもたらすと言われる「龍」のうろこを模して、1ページ1 ページ重ねて貼り付けてあります。巻物を広げると1枚の絵になっており、ページをめくるたびに嬉しい驚きがあります。
入札書の第1巻表紙には、台湾の著名な書家、董陽孜氏による「如切如磋、如琢如磨、如金如錫、如圭如璧」の文字があります。これは切磋琢磨、反省、向上を続けるAdaptive(適応)の精神を表しています。
生活の中のひらめき 
デザインで社会問題を解決
「WDC2016 台北」の核心は「社会デザイン」です。これはデザインの思考により都市が直面している社会問題を解決し、「人間本位」のデザインで人々が暮らす都市を造り上げるということです。限りある資源を活かし、公共の利益を前提として政策にデザインを取り入れ、社会の問題や困難を解決するものです。
かつてのデザインは目新しさが追求されてきました。しかし現在ではデザインは日常生活に入り込み、デザイナーはきらびやかな外観を作り出したり、特定の機能を満たすだけでなく、限りある資源から無限の可能性を創造する必要があります。「WDC2016 台北」はデザインが日常生活と深く結びつき、小さな看板から地域コミュニティの再生、古い家屋の活用、高齢化社会がとるべき対策まで、いずれも社会デザインの思考で改善できることを願っています。

5_北市府文化局邀請日本知名社會設計品牌SLOW LABEL來台展出,讓身障者與設計師協力製作商品,發揮美感創意。.jpg
▲台北市文化局は日本の社会デザインブランド「スローレーベル」を招き、障害者とデザイナーが共同で魅力的な商品を製作しました。

6_2016台北世界設計之都,希望使設計元素能更深入日常生活中。.jpg
▲「 WDC 2016台北」はデザインが日常生活に深く入り込むことを願っています。7. 「 台北の街角でデザインに出会う」などイベントを通じて市民の心にデザインの種をまきます。
2012 年から台北市は「公共空間デザイン導入政策」という計画を始動しました。デザイン思考という斬新なパワーを政府組織からあたため、各分野のデザイナー、専門家、そして市民による取り組みを呼び掛けるもので、現在4万799人のデザイン産業関係者と異分野の専門家が参加しています。ワークショップ、フォーラムなど人々とデザイナーが直接交流できる場を設け、人々が社会デザインの意義を体感し、台北と世界の関係を改めて考え、デザインに参加して社会に変化をもたらすことを目的としています。

8_透過一系列「設計導入公共政策」計畫,邀集各領域人士共同投入,體會社會設計的內涵。.jpg
▲「 公共空間デザイン導入政策」計画は各分野から招いた人々が共同で取り組み、社会デザインの意義を体感します。

9_今年台北正式進入2016世界設計之都,讓源源不絕的設計能量站上國際舞台。.jpg
▲台北市は今年「WDC 2016台北」を開催し、尽きることのないデザインの力を国際舞台で発揮します。
次々行われるイベント 
台北にデザインの花開く
今年、台北市は国際性と台湾の特色を兼ね備えた一連の大型イベントを実施します。新年デザインイベント、デザインナイト、国際都市デザイン展、国際デザイン政策フォーラム、国際デザインウィークフォーラム、都市ネットワーク会議、引継式などが行われ、台北の多様な顔を発信します。
1月に開催された「WDC 新年デザインイベント」では夜明けの音楽会と関連イベントが行われ、「WDC2016 台北」が開幕しました。続いて3月には「WDC 国際デザインナイト」が開催されます。これは台湾デザインの特色を融合させた国際授賞式で、国内の大型デザイン賞とIcsid のワールド・デザイン・インパクト賞の授与が行われます。またデザイナーのレッドカーペットや、ユニークな饗宴、ステージイベントがあり、ファッション、視覚、味覚、聴覚などに訴え台湾デザインの特色とパワーを表現します。
続いて「WDC 国際デザイン政策フォーラム」、「WDC 国際都市デザイン展」、「WDC 国際デザインウィークフォーラム」、「WDC都市ネットワーク会議」、そして「WDC 引継式」の5つの大型イベントが行われます。前者4 イベントは、世界各国からのデザイナーと都市の政策リーダーを招き、さまざまなイノベーション理念と都市の発展ヴィジョンを共有します。意見交換の場を設け、いかにデザインによって都市が直面する問題を解決するか討論します。最後の「WDC 引継式」では、WDC という栄誉を次回開催の都市であるメキシコシティにバトンタッチします。そして台北における素晴らしい成果を共有し、この国際的イベントの幕が閉じられます。
これらの国際的な大型イベントの他、毎月一般の人々が参加できる地元ならではの活動も行われます。「台湾デザイン展」、「台北の街角でデザインに出会う」、「クリエイティブエキスポ台湾」、「台北文化パスポート」など、いずれも市民の心にデザインの種をまき、「WDC」を通じて台北と世界の関係を再考してほしいと願うものです。台北はもはや世界の製造工場であるだけではなく、文化が息づく都市であり、台北市民一人ひとりが社会デザインの主人公なのです。「WDC」をきっかけとして繋がり、共に生まれ変わり、進化を続ける台北に尽きることのない変化の力を注ぎ込んでいきます。

10_台北的設計能量豐沛,在全球設計競爭力排名第13名。.jpg
▲台北のデザイン能力は高く、全世界デザイン競争力のランキングで第13位です。
 
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