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TAIPEI 2016夏季号 Vol.04—子バレーに最強ツインズ現る! 鴻敏・鴻杰の劉兄弟が開く台湾男子バレー黄金時代の扉

アンカーポイント

発表日:2016-07-12

更新日:2016-09-23

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男文 _ 陳婉箐
写真 _ 李庭歓、林嘉欣、JK 演芸娯楽

3.2.1_自高中時期就接受職業等級的魔鬼訓練,讓劉鴻杰在球技與心態上都有超齡的表現。(圖/JK演藝娛樂提供).jpg
1. 高校生の時からプロレベルの厳しいトレーニングを受けてきた劉鴻杰選手は年齢に似合わぬテクニックと精神力を備えています。(写真/ JK 演芸娯楽)

「ともに試合を戦うパートナーとなる前は互いが最も身近な家族で、親友だった」―台湾男子バレーボール界最強の双子と称される劉鴻敏、劉鴻杰の両選手は自分たちのFacebook ページにこう記します。でも、意外なことにコート上で鋭いスパイクやブロックを決めるこの兄弟は、プライベートで語り合うことは少ないそうです。なぜなら互いのことが分かりすぎて、視線を交わすだけで相手が何を考えているかを理解できてしまうからです。
男子バレーボール台湾代表チームにとって2015 年という1年は驚きの連続でした。アジアU-23 バレーボール選手権で銅メダル、光州ユニバーシアードで4位、アジアバレーボール選手権で6 位、そしてAVC アジアバレーボールクラブ選手権で台湾チーム初の優勝を果たすなど好成績が続き、国内にかつてないバレーボールブームを巻き起こしました。選手たちへの関心も高まるようになり、特に劉鴻敏、劉鴻杰兄弟はプレーヤーとしての実力もさることながら、その長身と端正なマスクで多くの女性ファンを引き付け、試合後、いつも会場の外には一緒に写真を撮ったり、サインをもらおうと「出待ち」するファンの姿が見られるようになりました。

地獄の特訓で実力アップ
劉鴻敏選手の記憶によると、バレーボールを始めたきっかけは鴬歌小学校4 年生のある日、教務課へ資料を届けに行き、偶然そこでバレー部のコーチに出くわしたことだったといいます。既に身長が160 センチメートルに達していた彼を見たコーチはすぐにバレー部に勧誘し、1 日体験して興味を覚えた鴻敏選手は弟の鴻杰選手と一緒に入部することを決めました。
先住民アミ族の血を引き、彫りの深い顔立ちと人を引き付ける目を持つこの双子は、体格から髪型まで瓜二つです。特に、鴻杰選手が携帯電話で見せてくれた子供の頃の写真は、ペアルック姿ということもあって自分たちですら見分けがつかないほどだそうで、バレーボールを始めてからも、双子であるがゆえのトラブルに見舞われました。中学生の時に参加した世界大会では、劉鴻敏選手がウイングスパイカー、鴻杰選手がミドルブロッカー(センタープレーヤーとも言われる)を務めましたが、二人の見分けがつかなかった審判は誤ってローテーションが正しく行われていないと指摘。コーチが「彼らは双子だ」と説明することでようやく誤解が解け、失点を取り消すことができたといいます。
高校生のころには、プロレベルの厳しいトレーニングに半年間参加しました。その間、毎朝5 時に起きて練習に明け暮れ、週末にも自宅には帰らず、宿舎と練習場の間を往復する日々が続きました。鴻敏選手によると、当時のコーチから、バレーボールの代わりにバスケットボールを使って練習するよう指示されましたが、ボールが重いため、とても扱いにくい上、手が痛くなって夜も眠れないほどつらかったそうです。しかし、その後あらためてバレーボールで練習すると、手や指の力が強くなっていることを実感し、コーチの意図がようやく理解できたと鴻敏選手は振り返ります。鴻杰選手も、当時のコーチは厳しかったけれど、早い時期に自立することやチームプレーの大切さが理解でき、同年代の学生に比べて落ち着いた性格が身に付いたほか、周囲の人間を尊重することも学べ、自分に最も大きな影響を与えた人物だと語っています。

3.2.2_劉鴻敏(左)、劉鴻杰(右)兩兄弟打起球來默契絕佳,帶領中華男排在去年拿下歷年來最佳成績。(林嘉欣攝).jpg
2. 劉鴻敏(左)、劉鴻杰(右)兄弟の息の合った絶妙のプレーにより男子バレー台湾代表は昨年、かつてない好成績を残しました。(写真/林嘉欣)

あうんの呼吸で結果を積み上げる
双子ならではテレパシーを備えている上、10 年以上同じチームでプレーしてきた二人は、コート上で言葉を交わすことなくあうんの呼吸で高等学校バレーボールリーグ(HVL)、大学・専科学校バレーボールリーグ(UVL)で金メダルを獲得。さらに台湾代表にも選出され、ともにコートに立った昨年の光州ユニバーシアードでは、相次いで強敵を倒し、初戦から6 連勝を続けて予選を突破ましたが、準決勝ではフルセットの末、ウクライナに逆転負けを喫しました。この試合について鴻敏、鴻杰両選手は「決勝戦が目の前まで来ていたのに、するりと手から逃げいってしまった」と語っており、二人にとって今まで最もくやしい敗戦だったようです。鴻杰選手は敗因について「勝ちたいという気持ちが強すぎた」と分析します。予選の順調な戦いぶりにチーム全体が盛り上がったけれど、決勝トーナメントになるとメディアの注目がプレッシャーとなって浮足立ち、勝機を逃したと言うのです。
しかし、それまでユニバーシアードでの最高成績が14 位だった男子バレー台湾代表にとって、昨年の大会で記録を大幅に塗り変えたことには違いなく、さらにその後に行われたAVC アジアバレーボールクラブ選手権でも予想を大きく上回る8 戦全勝での優勝を成し遂げました。鴻敏選手は、「決勝のカタール戦ではチームが一丸となれたことと、それ以上に当日、会場の天母体育館に満員のファンが詰めかけて声援を送ってくれたことが選手の力となった」と話し、地元開催で優勝できたことの喜びを語っています。

全力で試合に臨み勝負を楽しむ
ふだんは物静かな性格の双子の兄弟も、試合のことになると饒舌になります。ですが、「相手に最も言いたいことは?」と聞かれたとたん、二人は示し合わせたかのように黙り込み、「気持ち悪いから言いたくないよ。お互いに知っていればそれでいいじゃない」と口ごもります。しかしそれでも、ファンに二人のことをもっと知ってもらうためと鴻敏選手が重い口を開き、「一人でがんばっている他の選手に比べ、互いに支え合える僕たちは幸運です」と語ってくれました。

3.2.3_擔任球隊主攻手的劉鴻敏期待球迷能踴躍進場為中華男排加油。(圖/JK演藝娛樂提供).jpg
3. チームでウイングスパイカーを務める劉鴻敏選手は多くのファンに会場へ来て台湾代表を応援してほしいと願っています。(写真/ JK 演芸娯楽)

現在、台湾師範大学に学ぶ二人は2017 年の台北ユニバーシアードで再度、台湾代表としてコートに立ちます。現時点で具体的な目標は設定していませんが、一試合一試合に全力で臨み、勝負を楽しみたいと考えています。光州ユニバの韓国戦でアウェイの洗礼を受けた二人は、台北大会では男子バレー台湾代表チームがホームゲームの強みを最大限に発揮できるよう、多くのファンに会場へ足を運んで声援を送ってほしいと願っています。

男子バレーのツインズ メモ
劉鴻敏(ウイングスパイカー)、劉鴻杰(ミドルブロッカー)
誕生日:11 月10 日 身長:190cm 体重:85kg
戦績:
● 2010、11年度HVL甲組(1部)優勝(華僑高校)
● 2012、13、14年度UVL優勝(台湾師範大学)
● 2015年 アジアU-23バレーボール選手権銅メダル(劉鴻敏選手は最優秀ウイングスパイカー賞を獲得)
● 2015年 光州ユニバーシアード 第4位
● 2015 年 バレーボールアジア選手権 第6 位
● 2015 年 AVC アジアバレーボールクラブ選手権優勝(劉鴻敏選手は最優秀ウイングスパイカー賞を獲得)
 

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