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TAIPEI 2016夏季号 Vol.04—台北でホタル観賞の小さな旅を

アンカーポイント

発表日:2016-07-12

更新日:2016-09-30

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文 _ 台湾生態旅遊協会 頼儀宜
写真 _ 王億傑、台湾生態旅遊協会、大麦影像工作室
 
TAIPEI 2016夏季号 Vol.04—台北でホタル観賞の小さな旅を
 
1. 大安森林公園のイベントでホタルを放す子ども(写真/台湾生態旅遊協会 王億傑)

台北市内でホタル観賞ができる―多くの台北人がこのことを知らないでしょう。ホタル観賞の季節は4 月中旬から始まり、草むらにピカピカとホタルの光が舞う様子はまるで野原にきらめく星のようです。ホタル観賞に最適の時間は日没後の6 時半頃からで、夜8 時以降はホタルの光は少なくなります。空が暗ければ暗いほど、また光の邪魔が少なければ少ないほど良いです。大雨や霧の濃い日はホタルはあまり飛びませんので、天気が悪い時はホタル観賞にはふさわしくありません。また夜になって滑りやすい道を歩くと危険です。

この時期、台北市で見ることができる代表的なホタルを紹介しましょう

キブチボタル(黄縁蛍)
黄色い光を発するキブチボタルは主に台湾北部に分布し、水生ホタルのうち最もよく見られる品種です。幼虫は巻貝を食べ、きれいな水の中でないと成長できないので、これが重要な環境指標のひとつとなります。キブチボタルはかつて台北盆地でよく見ることができましたが、水質汚染や土地開発により大きく減少しました。そのため台北市は近年、大型の都市公園でキブチボタルを保全する取り組みを行っています。

クロバネボタル(黒翅晦蛍)
旧名を「黒翅蛍」というホタルで台湾に広く分布しています。台湾のホタル観賞で最も多く観察される種類で、通常4~ 6 月に大量に現れ黄緑色の光を発します。幼虫は陸生で湿った土壌の表面に暮らし、カタツムリを食べます。

ホタル観賞へ出発する前に、以下に注意しましょう

1.ホタル観賞の際には薄手の長袖、長ズボン、運動靴を着用しましょう。サンダルは履かないでください。蚊などの虫に刺されますし、ヘビに出会う可能性もあります。

2.懐中電灯には赤いセロファンを巻きましょう。光の明るさを落とし、ホタルの生態への影響を軽減できます。

3. 夜間の観賞は安全に注意してください。必ず誰かと一緒に行動し、1 人で山へ登らないでください。

4. 道に詳しくない場合は、解説員が案内するホタル観賞イベントに申し込みましょう。安全を確保しながら、より多くの知識を学ぶことができます。

準備はいいですか?では環境に優しく便利なBMW 方式(BUS、METRO、WALK)で、提灯を下げたホタルの後を追って虎山渓歩道へ行き、美しい夏の楽しい旅にでかけましょう!

交通:
MRT 板南線「後山埤」駅から徒歩約15 分バスは「奉天宮」または「福徳国小」のバス停で下車

14:00 ~ 15:30 虎山奉天宮歩道
虎山は四獣山のひとつで、奉天宮はこの虎山の虎のしっぽにあたる位置にあります。この稜線歩道は虎の背に沿って登るルートで、道端にはシダ植物などさまざまな植物が生息しており目を楽しませてくれます。林の中を歩けばとても涼しく、途中のあずまやで休憩することもできます。120 高地と虎山峰は台北盆地を観賞する最高の場所です。眼下に大きく広がる景色を望めば、繁華街の信義区、台北101、松山や南港、さらに天気がよければ遠くに陽明山や内湖の山々まで見え、台北にはこんなにも身近に自然があるのだと驚きます。虎山峰は虎の頭で、ここから歩道に沿って坂を降りれば瑤池宮に到着します。(虎山峰観景台は改修中です。安全に注意してください)

15:30 ~ 17:00 虎山渓歩道
瑤池宮から虎山復興園歩道に沿って歩くか、または福徳街221巷を真光禅寺と南天宮のほうへ進めば虎山渓歩道の環状路線へ行くことができます。ホタル観賞の前にぐるっと歩けば道の状況が把握できますし、日中の風景を楽しむこともできます。歩道の途中にある四獣広場には獅子、象、虎、豹を表す石柱があります。ここでひと休みして近くにある農園の風景を楽しんだりできます。虎嘯亭そばの親水スペースではさらさらと流れる水の音と虫たちの合唱が聞こえてきます。歩調を緩めて胸を開き、五感で自然の美しさを味わってください。

17:00 ~ 18:30 夕食
慈恵堂の前には屋台があります。また福徳街まで行けば食堂、屋台、コンビニエンスストアがあります。

18:30 ~ 19:30 虎山渓歩道でホタル観賞
午後6 時半を過ぎると空が暗くなり、だんだんとホタルが現れます。虎山渓歩道では昔からここに住む陸生ホタルのクロバネボタルと数が少ないアカムネクロバネボタル、生態系の再生のために放された水生ホタルのキブチボタルが観賞できます。注意してほしいのは、唐の詩人・杜牧のように「軽羅小扇撲流蛍(扇でホタルをつかまえる)」、または昔の人にように「囊蛍照書(ホタルの光で本を読む)」ようなことはしないでください。ホタルの発光はパートナーを探し次世代を残すためのもので、成虫の命はとても短いのです。静かに観賞するだけにして、捕まえてうちへ連れて帰ったりしないでください。それでこそホタルが輝く夜景を未来へ残すことができるというものです。このほか松山慈恵堂から虎山自然歩道を登るとクロバネボタルが見えるかもしれません。歩道はやや急な坂道なので少し疲れます。安全に注意してください。
ホタル観賞のほか、夜の虎山渓ではカエルの合唱が聞こえるかもしれません。「ケロケロケロ」と鳴くタイワンハラブチガエル、「グォッグォッグォッ」と鳴くクールガエル、それから鳴き声が口の中にこもってあまりよく分からないようなラトウチガエルなどがいます。静かに耳をそばだてて、何種類のカエルの声が聞こえるか挑戦してみてはいかがでしょうか。
TAIPEI 2016夏季号 Vol.04—台北でホタル観賞の小さな旅を
2. 集まって光を放つキブチボタル(写真/大麦影像工作室)

都市の公園にホタルを
台北市はこの数年、近郊だけではなく市内の公園にもホタルが暮らせる場所を整備する努力を続けています。現在、栄星花園、木柵公園、大安森林公園などにホタルがいますが、栄星花園と木柵公園の生息数が比較的多くなっていす。この2 つの公園にはきれいな地下水があり、キブチボタルの生息に適した環境となっています。このような生態が再生された池をキブチホタルが舞うのを見るのはとても感動的なことです。この台湾の取り組みは世界からも注目されており、2017 年にはホタルの国際イベントが台湾で開催される予定です。

台北で失われたホタルを復活させることは容易なことではありません。大安森林公園の友基金会、文山コミュニティカレッジ、荒野保護協会などの団体がボランティアの協力でホタルの住みかを再生しています。ホタルが現れる季節には街灯の明るさを減らしたり、ホタルが暮らしやすい植物を植えたりしています。最も困難なのは公園内に生息する外来種の生物、例えば人々が公園に放したミシシッピアカミミガメや魚などを取り除くことです。ホタル観賞に来るみなさんは、どうぞ生態系の維持に協力してください。生き物にエサを与えて水を汚したり、飼っている動物を放したりしないでください。この夜にきらめく光の精霊たちがいつまでも私たちと一緒にいられるようにしましょう。
 

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