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台北観光サイト

TAIPEI 冬季号 2016 Vol.6

アンカーポイント
小説『流』に導かれ街かど探訪





クリスマスの鮮やかな赤に彩られた冬の台北は、相変わらず熱気にあふれています。



2015 年に日本で直木賞を受賞した台湾にルーツを持つ作家、東山彰良さんの作品『流』は台北が舞台となっていて、懐かしい時代のシチュエーションを切り取っています。東山さんが描く中華商場には中国各地のふるさとの味が集まり、大人の読者の多くが制服を作った学生時代の青春を思い出すことでしょう。広州街に住んでいたという東山さんは、万華区の龍山寺や西門町にその足跡を残したり、植物園で初めての恋を語ったり、大稲埕の持つ古都の魅力にも惹かれています。



文学のまなざしと小説の足あとを手掛かりに、新旧の台北の異なる息遣いを際立たせてみました。龍山寺にけぶるお香は数十年の間も変わらず、華西街の食べ物はいつもこれを目当てに観光客が訪れる味わいです。若者が集まる西門町は、アートとファッションを代表するスポットとなっています。東山さんの大好きな植物園には珍しい草花と上品で素朴な史跡がたたずみ、迪化街の古い建物やここで売られる各地の物産、クリエイティブなスタイルに手の届きやすい価格のおいしい食べ物は、旅人が心身ともに満たされるパラダイスです。この TAIPEI 冬号で、東山さんの台北文学の旅コースを一気にご紹介しています。



商業や工業の発達したテンポの速い社会では、手作りのぬくもりは何よりも大事です。熟練の職人が持つ伝統工芸へのこだわりは、台北の奥行きある文化を際立たせ、台北の物語をより豊かに鮮やかに彩ります。TAIPEI 冬号は、万華の伝統的な漢餅やお茶の老舗、鍛冶屋さん、仏具店などを紹介しています。時代に応じて扱う品に移り変わりはあれど代々受け継がれたものは、昔ながらの味わいに加え、もっと大事な信頼です。



手作りの紙や筆を使うことで、ひと味違う感動はいかがでしょう?製紙の技は、なんとペンダントトップやランプシェードまで生み出しています。百年の歴史を持つ筆づくりの専門家は、手作りの筆からメークアップ用ブラシを手掛け、老舗の看板に新たな息吹を添えます。伝統的なランタン工芸で技を存分に生かした素晴らしいアートが生まれたり、木工や錫、陶器など手工芸品は暮らしをセンス良く彩ってくれます。



文化と創意は街が持つパワーをよりふくらませる原動力です。TAIPEI 冬号ではレッド・ドット・デザイン賞の CEO であり、ワールド・デザイン・キャピタル(WDC) の提唱者、ピーター・ゼックさんによる台湾のデザイン産業に対する踏み込んだまなざしを紹介しています。また、駐台北韓国代表部の前代表、任期を終えたばかりの趙百相(チョ・ベクサン)さん、台湾で活躍する日本人の映画監督、北村豊晴さんが台北の印象を大いに語ってくれました。



2017 年の台北ユニバーシアードまで 250 日余り、今回は難病を克服した女子バレーボールの王欣婷選手と、台湾先住民、パイワン族のスケート選手、宋青陽選手の熱い闘いの物語をお届けします。台北ユニバに向けともに応援していきましょう!
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