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大稲埕で開かれる 台北夏祭りを散策 (TAIPEI Quarterly 2023 夏季号 Vol.32)

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発表日:2023-06-23

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TAIPEI #32 (2023 夏季号)


大稲埕で開かれる
台北夏祭りを散策

文:Hsin Ya Teng、Kerstin Hsu、Genie Zheng
編集:下山敬之  
写真:台北市観光伝播局、Taiwan Scene、字語映像制作、陳盈蓉


夏の台北を旅行してみませんか。台北の夏は、亜熱帯地域を象徴するお祭りの雰囲気に包まれていて、国内外の旅行者を問わず、多くの人が楽しめるイベントやアクティビティが満載です。

猫空では暑さをしのげる大自然のハイキングコースをのんびりと散歩できますし、有名なお茶を味わうこともできます。陽明山を登ると美しいアジサイの花が心を癒やしますし、華山 1914文化創意産業園区ではインダストリアルスタイルの建物と立派なガジュマルの木が共存し、アーティスティックで過ごしやすい空間を作り出しています。また、お子様連れの方は台北市立美術館にある児童芸術教育センターもオススメです。

大稲埕夏祭りも見逃せないイベントです。7月1日から8月20日まで延平河浜公園で開催されるこの夏祭りは、去年までの情人節(七夕祭り)を51日間に延長したもので、この夏を代表するイベントと言えるでしょう。期間中の毎週末と水曜日には、美しい花火が打ち上げられ、夏の夜空を彩ります。

8_3553_陳盈蓉_七夕派對-2022大稻埕情人節攝影比賽 (Copy)▲美しい花火が夏の大稲埕の空を彩ります。(写真‧陳盈蓉)

また、本記事ではこの他にも家族連れやカップルで楽しめる大稲埕のスポットを紹介しています。文化や歴史的な場所を探訪したい方や映える場所で写真を撮りたい方、美味しい料理を味わいたい方は必見です。ただ、一番参加して頂きたいのは夏祭りです。

台北のダイナミックで活気に満ちたこのお祭りは、一度参加をすると忘れられない体験となります。長期間に渡って開催されていますので、数々の魅力的なイベントやアクティビティを体験し、感動と思い出に満ちた夏をお過ごしください。

夏祭りの四大テーマ
今年の夏祭りには、「8回の花火大会」、「装飾されたクルーズ船」、「ライトアップされた河岸」、「美食」という4つのテーマがあります。美しい花火や台北の夜景、鮮やかな河岸の風景を鑑賞したり、心地よい音楽に耳を傾けながら美味しい食事とスイーツを楽しむなど、異なる体験を通じて、様々な角度から台北を楽しめる内容となっています。

期間中は、毎週水曜日の夜8時半に花火が打ち上げられ、最終日となる8月20日には、観客を驚かせるような壮大なグランドフィナーレが待っています。他にも「環騎台北」のチャレンジにも参加する機会をつかむことができます。美しい河岸沿いを自転車で走りながら台北の絶景を楽しむことができます。軽い運動で汗を流した後は、大稲埕の埠頭市場で食事やカクテル、DJのパフォーマンス、花火を楽しみましょう。

また、大稲埕の埠頭には、ユニークなコーヒーカップやメリーゴーラウンドなどのアトラクションがたくさんあるので、お子様連れの方にもオススメです。

さらに、河岸にはインスタレーションの装置が設置され、ロマンチックな光が静かな河畔を魅力的に染め上げます。この他にも地元の企業や旅行会社が提供する割引やプロモーションイベントもあるので、あらゆる人に適したイベントとなっています。

大稲埕―台北文化遺産の宝庫
多くの大都市がそうであるように、台北市の中心部は最初に栄えた場所であり、都市の成長と発展の遺産が数多く残っています。歴史を感じる都市計画、人々の生活スタイル、建築様式からは、時間の変遷と文化の深さが伺えます。こうした場所は通常、都市の主要な観光地となります。台北にとって、大稲埕はこの都市の起源であり、豊かな文化遺産を数多く残す象徴的な地域なのです。

IMG_6996 (Copy)▲迪化街では、菸花で音楽を聴きながらコーヒーを楽しんだり、李亭香や滋養製菓でさまざまなスイーツが味わえます。(写真‧Taiwan Scene)

大稲埕では、迪化街という通りに食品や漢方、布地のお店が並んでいます。ここはかつて、小売業者や主婦がお得な商品を探す場所でしたが、この10年間でモダンなカフェやファッションショップ、レストラン、書店などが続々とオープンしました。こうした変化を経て、迪化街は新旧、伝統と流行が融合した文化的で創造的な場所になっています。今日では、若い世代や観光客がよく訪れる場所となっていて、若々しさと活気に満ちた雰囲気で溢れています。

カップルが訪れる夏のスポット
「デート」と「ロマンス」は、大稲埕と関連の深いキーワードです。なぜなら、大稲埕の台北霞海城隍廟には月下老人(通称:月老)という神様が祀られているからです。月老は恋愛成就や結婚成就のご利益があることで知られいて、特に日本の観光客に人気があります。

ZI_F9967 (Copy)▲台北霞海城隍廟は重要な史跡であり、大稲埕の精神的な中心でもあります。(写真‧字語映像制作)

1859年に建立された台北霞海城隍廟は、 150年以上にわたり大稲埕の歴史を見守ってきた文化遺産であり、大稲埕で商売をする人たちからは特に崇拝されています。この寺院は2月14日のバレンタインデーと旧暦の7月7日の七夕、そして月老の誕生日である旧暦の8月15日になると非常に混雑します。この3日間は赤い糸で結ばれた相手を見つけるために、多くの人が月老に祈りを捧げに参拝するためです。

月老は独身の人だけでなく、夫婦やカップルも円満な関係や幸福な結婚生活を祈願するために訪れます。伝統的に、実際に結婚に至った場合には、喜餅というお菓子を持参して月老に感謝を捧げるのですが、城隍廟に届けられる喜餅の数は毎年、約6000 個にも上ります。このことからも月老のご利益の程がうかがえるでしょう。

伝統衣装で記念撮影
最近では、チャイナドレスやチャイナスーツなどの伝統的な衣装を着て、大稲埕の歴史的な建物をバックに記念撮影をするというアクティビティが人気です。大稲埕の観光案内所は、歴史や観光スポットなどの情報を案内するだけでなく、伝統衣装の無料レンタルサービスを提供しています。あまり観光客には知られていませんが、このサービスを利用することで大稲埕をより満喫できるでしょう。

大稻埕換裝體驗3 (Copy)▲大稲埕の観光案内所を訪れた際は、伝統的な衣装に着替えて記念撮影をしましょう。(写真‧台北市観光伝播局)

また、観光案内所の2階には、衣料品店や漢方のお店、居心地の良い喫茶店という3つのレトロなお店があります。ここを訪れると、過去の大稲埕へタイムスリップした気分が味わえるほか、レトロな風景の撮影スポットとして最適です。大稲埕は観光案内所自体が魅力的な観光スポットの一つとなっているのです。

「小時代写真館」は迪化街にある人気の人物写真スタジオです。このスタジオは、台北のオシャレな女性がチャイナドレスや洋服、和服を着てお茶を楽しんでいた1920年代の大稲埕の再現をすることがコンセプトとなっています。

スタジオを外から見ると、チャイナドレスやチャイナスーツなどの衣装が置いてある衣料品店のように見えますが、よく見るとレトロな写真スタジオであることが分かります。ここでは、衣装レンタル、メイクアップとスタイリング、屋内外での人物写真の撮影、プリントなどのワンストップサービスを提供していて、個人の肖像写真から友人や家族との集合写真まで、それぞれの写真が大稲埕を訪れた記念になるよう心を込めて撮影をしてくれます。ぜひ迪化街の日常の中で伝統衣装に身を包み、かつての大稲埕の雰囲気を体験してみてください。

グルメスポット
迪化街は閩南式建築のアーケード、優雅なバロック建築、そして現代の台湾建築が融合した魅力あふれる通りです。この活気に満ちた通りには、さまざまな味わいが楽しめる美食が揃っています。

ZI_F9811 (Copy)▲新旧が混ざり合う大稲埕の通りには老舗が並ぶほか、リノベーションした斬新なコーヒーショップやアートショップがあります。(写真‧字語映像制作)

迪化街の民生西路以南、永楽市場のある地域では、地元のコミュニティの雰囲気が楽しめます。特に屋台で気軽に食べられる魚丸スープ、汁ビーフン、お粥や小皿料理など、伝統的な台湾の食事を味わうことで、大稲埕の日常生活に触れられるでしょう。

伝統的な台湾の食事を味わった後は、民樂街にある「姚Xa青草號」へ足を運ぶのがオススメです。60年以上の歴史を持つこのお店では、青草茶や苦茶、アロエベラティー、茅根茶という4種類のお茶を提供しています。いずれも夏の伝統的な飲み物でのどの渇きを潤してくれます。

コーヒーが好きな方には、迪化街14巷にひっそりと佇む「菸花 (Op.118.2)」がオススメです。このコーヒーショップの名前は、ヨハネス・ブラームスのOp.118 第2番「間奏曲」から来ていて、オーナーのZoc Kao氏が外国人観光客にも覚えやすいようにと名付けました。このお店のバリスタたちは、コーヒー豆の風味や季節の特徴にこだわり、お客さんとコミュニケーションを取りながら好みに合った個別の味を提供しています。今年は夏の暑い日に最適な飲み物として、金柑ソーダと冷たいエチオピアコーヒーをブレンドした新商品を開発しました。飲んだ後にレモンキャンディとチョコレートの風味が広がるのが特徴で、子供の頃のような懐かしい気分が味わえるでしょう。この他にも店内にはレコードが大量にあり、お客さんがリクエストした曲を流すこともできます。同じ路地の中には、このお店以外にもユニークなカフェがあることから、大稲埕の「コーヒーストリート」となっています。

IMG_6993 (Copy)▲合興壹玖肆柒(HOSHING1947)も、迪化街で70年の歴史を持つ、人気で伝統的な中華菓子店です。(写真‧Taiwan Scene)

1953年に設立された「滋養製菓」は、伝統的な和菓子や中華菓子を専門に作っているお店で、その本格的な味は有名です。主なラインナップは、モナカ、どら焼き、大福、パイナップルケーキなどで、中でもいちご大福が最も人気があります。店舗の前には椅子があり、わずかNTD50でモナカと温かいお茶のセットが楽しめます。クラシックなスイーツを味わいたい方にオススメです。

また、この他にも 1895年に設立された「李亭香」は、台湾を代表する菓子店です。このお店では、緑豆粉、紅豆沙、白豆沙、もち米、ピーナッツ粉などを使用してさまざまなお菓子を作っています。特にラードを使わず、バターを使用することで、伝統的な製法を守りながらもよりさわやかな風味を生み出しています。中でも「平安亀糕」という亀の形をしたお菓子は、特に人気のある商品です。亀は寿命が長いことで知られていますが、台湾では長寿の象徴としてリスペクトされています。そのため、平安亀糕には、平和と安全を祈願する焼印が刻まれており、長寿と繁栄を願う贈り物として購入されます。

魅力的な水辺のリゾート
大稲埕の発展史は、淡水河岸の大稲埕埠頭の開港と密接に関連しています。かつては商業港だった大稲埕埠頭ですが、現在は河岸でのレクリエーションに最適な場所となっています。気軽に楽しめるのは、河岸沿いのサイクリングです。河岸には関渡や淡水へと続くサイクリングロードがあり、永楽市場近くのYouBikeステーションや大稲埕埠頭の台北市河岸自転車レンタルセンターで自転車が借りられます。大稲埕から淡水までは約18kmあり、週末のアクティビティとして地元の住民や観光客に人気です。

大稲埕をより深く知るなら、「藍色水路プチツアー」に参加するのもオススメの方法です。このツアーは、ガイドが乗船するクルーズ船に乗って、3時間かけて淡水河周辺を巡ります。まずは大稲埕埠頭近くの茶屋、辜宅、李春生紀念教堂からスタートし、忠孝橋、社子島島頭公園、関渡埠頭、マングローブ生息地を経由し、最後に淡水埠頭に到着します。

IMG_1352 (Copy)▲コンテナマーケットでは、ビールやバーベキューを楽しみながら夏の夜を満喫できます。(写真‧Taiwan Scene)

このツアーに参加することで、地域の歴史的スポットはもちろん、生態系や河川の歴史、台北の文化遺産について学ぶことができます。年齢を問わず楽しめる教育的なアクティビティとなっているので、ぜひ参加してみて下さい。天候が良ければ、ナイトクルーズやサンセットクルーズなども可能で、夏の思い出作りに最適です。

さらに、大稲埕埠頭は夕焼けが美しいスポットでもあります。日が沈みだすと都市の景色を映し出した淡水河の水面が黄金色に染まっていきます。夜になると、第五埠頭のコンテナマーケットが開かれ、食事やショッピングが楽しめるスポットとして、地元の若者や観光客が集まります。

大稲埕は歴史、文化、食事、自然という様々な魅力が一体となって、訪れる人々に楽しい体験を提供していますので、ぜひ台北を旅行する際は、大稲埕へ足を運んでみてください。

 

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