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丸一日食べ歩き:台北グルメ探訪ツアー (TAIPEI Quarterly 2023 秋季号 Vol.33)

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発表日:2023-09-11

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TAIPEI #33 (2023 秋季号)

丸一日食べ歩き:台北グルメ探訪ツアー


  Tina Teng、林涵青 
編集 下山敬之
写真 RAW、頤宮、Bob Tung、許育華、秦雅如

fs_1▲ミシュランで2つ星を獲得したRAWは台湾を代表するレストランです。(写真・RAW)

台北は世界的に有名なグルメ天国です。夜間にもさまざまな美食が食べられることから眠らない街とも言えるでしょう。こうした忘れがたい味を年中無休で楽しめる台北のグルメ文化こそが、台湾を訪れる旅行者にとっての大きな魅力となっています。ですが、なぜ台北は台湾における食の中心なのでしょうか?

その理由を台北で生まれ育った熟練のフードジャーナリスト、林涵青氏が語ってくれました。「台湾の首都である台北には、国内外から人が移住し、各地の美味しい料理が持ち込まれています。地元の人々や観光客が舌鼓を打つ美食は、移住者たちがもたらす多様な文化によって豊かになっているのです。」台北の人々は心から食を愛し、食を楽しむためにはお金を惜しみません。ささやかな屋台から贅沢な高級レストランまで、幅広い食通の期待に応える様々な料理が目白押しです。

台北の活気ある夜食文化はもともと夜間労働者や遅くまで残業をする人たちのニーズによって生まれました。やがてこの文化は、台北独自の通年24時間営業の書店のスタイルと絡み合い、台北にユニークな魅力を添えました。加えて、台北ランタンフェスティバル、台北白昼の夜(ニュイ・ブランシュ・タイペイ)、大稲埕夏祭りなどの夜祭の出現により、台北の夜は活気溢れる様相へと変貌しました。こうしたイベントが台北の便利な交通機関や治安の良さと相まって、深夜経済を繁栄させる基礎を築いたのです。

林氏は食の世界についての豊富な知識を活かし、1日で楽しめる台北のグルメガイドを作成してくれました。

07:00 朝食

台北には、他の大都市とは比べものにならないほど多様な朝食メニューが揃っています。中でもかつて5年連続でミシュランガイドに推薦された阜杭豆漿(フーハン・ドゥジャン)は必見です。常に長蛇の列で賑わうこのお店で試してほしいのは、卵を厚めの生地で包んだ厚餅夾蛋。焼きたての生地からは美味しそうな香りが漂っています。名物である風味豊かな豆乳もおすすめです。

fs_2▲阜杭豆漿は有名な台湾朝食のお店です。

もっと冒険してみたい方は、伝統的な台湾式朝食に挑戦してみましょう。卵クレープ(蛋餅)、大根餅(蘿蔔糕)、台湾式ハンバーガー、サンドウィッチに紅茶やミルクティーを添えれば、ボリュームたっぷりの伝統的な台湾式朝食の出来上がりです。

12:00 昼食

昼食には近くの台湾料理の屋台を訪れましょう。大稲埕にある慈聖宮前には20軒以上の屋台が並び、豚肉のお粥(肉粥)、薬膳スープ(四神湯)、豚あばら肉のスープ(排骨湯)、豚の血のスープ(豬血湯)、豚足春雨(豬腳麵線)、海鮮炒め(海鮮熱炒)などが味わえます。大稲埕に立ち寄れば、食欲を十二分に満たせること間違いなしです。地元流の食べ方をするのであれば、春雨スープ(米粉湯)や豚肉のお粥に、豚モツをスライスした黑白切などの副菜を3~4品添えましょう。食通の舒國治はかつて、台湾の小吃文化をこのように表現しました。「全ての料理を少しずつ試してみることが最も満足の行く食べ方である」。寺院の前に立つガジュマルの木の下で食事をすると、この体験に独特の味わいを添えてくれます。

fs_3▲大稲埕にある慈聖宮前の広場で伝統的な台湾料理を食べると、ローカルな雰囲気が楽しめます。

牛肉麺もまた台湾人にとって特別なメニューであり、あらゆる好みに合わせた複数のバリエーションが存在します。例えば、蒸し煮(紅焼)、煮込み(清燉)、トマトスープ(番茄湯頭)などで、それぞれに熱烈なファンが存在します。牛肉は好みの食感や味に合わせて薄切りか角切りかを選べます。麺も細麺、太麺、刀削麺、春雨など様々な選択肢があります。

fs_4▲牛肉麺は台北を代表するグルメの一つです。

牛肉麺は路上の小さな屋台だけでなく、永康牛肉麺、建宏牛肉麺、林東芳牛肉麺、老山東のような有名店、さらにはリージェント台北やシェラトン・グランド台北ホテルのような5つ星ホテルでも味わうことができます。

16:00 アフタヌーンティー

台北はアフタヌーンティーのお菓子の選択肢が非常に多いため、決めるのは簡単ではありません。古亭では温州街蘿蔔絲餅達人というお店の前に、揚げたてを求める人たちが長蛇の列を作ります。一方、光華商場や晴光市場の外には、今川焼きに似た紅豆餅(別名:車輪餅)を売る屋台が並び、観光客や地元の人々に午後の軽食を提供しています。

fs_5▲午後のおやつとして温州街の大根餅を食べましょう。(写真・許育華)

一方、豆腐プリン(豆花)やかき氷(剉冰)などお手頃な価格の伝統のデザートも忘れてはいけません。寧夏夜市の豆花莊、北投の伝統之最豆花堂、公館の龍潭豆花の豆腐プリンは特に人気なので必ず満足できるでしょう。また、永康街にある白水豆花と内湖にある芋艿川豆花は、流行に敏感な新進のお店です。かき氷では、龍都冰菓専業家、台一牛奶大王、東区粉圓、水亀伯古早味など伝統的なお店が地元の人々に人気です。台湾かき氷の最大の魅力は、里芋から作る芋圓やタピオカなど、自分好みのトッピングが選べるところです。

fs_6▲古早味冰果室のかき氷はトッピングの種類が豊富で、自由に選ぶことができます。(写真・秦雅如)

19:00 夕食

ミシュランで2つ星を獲得した有名レストラン「RAW」は、世界的な高級台湾料理店のスタンダードとなっています。シェフが台湾産の食材を巧みに活かし、台湾で愛されている屋台料理の要素を取り入れることで、台湾独自のビストロノミーを作り出しています。

台北の日本料理も非常に高水準です。2023年に発表されたミシュランでは、星を獲得した台北の35軒のレストランのうち、8軒が日本料理店でした。特に、江戸前寿司を得意とする鮨 野村は、6年連続で1つ星を獲得しています。謙安和は、内装も料理も日本のミニマルな美意識を取り入れています。一方、今年1つ星から2つ星に昇格した牡丹・極上天ぷらは、控えめながら洗練された天ぷらメニューを提供しており、絶妙な風味で食べる人を魅了しています。

fs_7▲ル.パレ(頤宮)の看板メニューは広東式ガチョウのローストコース。(写真・頤宮)

この他にもミシュラン3つ星を6度獲得し、高い評価を得ている広東料理店ル・パレ(頤宮)では豊かな中華料理が堪能できます。特に看板メニューの広東式ガチョウのローストコース(火焰片皮鵝)は予約が必須なので、忘れずにしておきましょう。ミシュランの星を獲得した欣葉・鐘菜では、心地よく家庭的な雰囲気の中で美味しい台湾料理を味わうことができます。また、1930年代の贅沢な雰囲気を味わえる山海樓は、ミシュラン1つ星とミシュラン・グリーン1つ星を獲得している高級レストランです。

21:30 夜市

まだホテルに戻るには早すぎます。グルメ探訪において活気溢れる夜市は外すことができません。饒河、寧夏、士林、臨江/通化は、台湾で最も有名な夜市です。これらの市場は夜10時になっても活気に満ちており、道を埋め尽くすように立ち並ぶ様々な屋台からは、美味しそうな香りが漂ってきます。特に臭豆腐、牡蠣オムレツ(蚵仔煎)、大腸麺線、台湾式唐揚げ(塩酥鶏)、台湾式煮込み料理(滷味)、鶏一枚を揚げたジーパイ(鶏排)といった台湾を代表する屋台料理やタピオカミルクティーなどがおすすめです。

fs_8▲夜市にはいつも様々な食べ物の屋台が並んでいます。(写真・秦雅如)

23:00 バー

夜が更けるとともに台北はますます魅惑的になり、日本酒、ワイン、ウイスキー、クラフトビール、カクテルが好きな人たちの楽園となります。特に台北のカクテルは、近年国際的な評価を得つつあり、有名なIndulge Bistroは、アジアのベストバー50に常にランクインしています。今年は、英国風のThe Public Houseが初めてリストアップされました。また、大稲埕のワトソンズ薬局(屈臣氏大薬房)の2階にあるWOSOM ASW Tea House(沃森茶酒館)は、昔ながらの魅力があります。ヴィンテージでノスタルジックな雰囲気と台湾の茶焼酒は、台北の夜にユニークで楽しい味わいをもたらしてくれます。

fs_9▲台北には特徴的なバーがたくさんあります。(写真・秦雅如)

02:00深夜の軽食

バーでお酒を楽しんだ後は軽食で締めましょう。復興南路の小李子清粥小菜は午後5時から午前6時まで営業しており、100種類近いおかずを提供しています。他にも24時間営業の洪記豆漿大王、瑞安豆漿大王、福德冷麺では、時間を気にせず手頃な価格で軽食が楽しめます。

fs_10▲夕方から早朝まで営業しているおかゆやおかずのお店は夜食に最適です。

加えて、台湾のコンビニにも美味しいメニューが揃っています。定番の茶葉卵、ホットドッグ、おでん、各種コーヒー、有名レストランとコラボした中華や洋風のお弁当まで、想像以上の品揃えに感心することでしょう。台北ではどのような料理も食べたくなったらすぐに食べらるので、今回紹介した美食をぜひ試してみて下さい。

🍷過度の飲酒は健康に害を及ぼします

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