発表日:2017-03-22
2077
台北南部、緑を感じる旅へ
自然と隣り合う静かな街
文 _ 陳婉箐
写真 _ 施純泰、呉金石、游姿穎
時間ができたら台北の緑を感じる旅に出掛けましょう。早朝は富陽自然生態公園に生い茂る樹木たちと一緒になって呼吸し、午後はのんびりYouBike や徒歩で住宅街「青田街」の緑陰のある路地をめぐり、昔ながらの建物を訪ねましょう。その後は自来水園区(タイペイウォーターパーク)の水花園有機農夫市集(ウォーターガーデン・オーガニックファーマーズマーケット)で1 週間分の食材の買い出しにいきましょう。日中の暑さがひいた夜は宝蔵巌国際芸術村で宝探しに興じるのも楽しいものです。

▲ 青田街は緑樹が木陰をつくり、頭上に延々と続く緑の景観を広げています。(写真/施純泰)
富陽自然生態公園
富陽の三銃士に会おう
富陽自然生態公園に向かうと、数分前までにぎやかなMRT の駅近くを歩いていたと思ったら、いつの間にか緑生い茂る森林の中に身を置いているという嬉しい驚きが体験できます。敷地3.8 ヘクタールの同公園はもともと軍の弾薬庫でした。長い間規制によって破壊を免れたため、市街地では珍しく低海抜の森林が残されており、まるでこの世の桃源郷のようです。

▲ 富陽自然生態公園の至る所で小動物が見られます。(写真/施純泰)
公園内には300 種余りの植物、10 数種以上の保護対象生物が生息しています。荒野保護協会によると、夏はビワハゴロモがナンキンハゼの樹上で産卵するため、ビワハゴロモを観察する絶好の時期です。セミを主食とするスインホーキノボリトカゲもこの時期によく見られる爬虫類で、「スインホーキノボリトカゲが腕立て伏せの動きをしているときは『私の縄張りに入るな』と警告しているんです」とのことです。
「富陽三銃士」と呼ばれ、木の梢にひらりと現れるタイワンゴシキドリ、メジロ、シロガシラクロヒヨドリの姿も見ることができます。この緑の宝庫を堪能したいなら、インターネットの事前申し込みで毎月第2 土曜日午前の無料ガイドツアーに参加することができます。
緑のトンネル「青田街」
青田街をめぐるには自転車か徒歩がベストです。ここはかつて台北帝国大学(現台湾大学)教授の宿舎エリアでした。学者たちが植えたフウ、ボダイジュ、オガタマノキ、パンノキ、ショウナンボク、ダイオウヤシの木が頭上に延々と続く緑の景観を成し、その豊かな生態系から鳥類が巣を作りにやってくるため、一年中鳥の声が響いています。人、レトロな建築、老樹の調和と共生が青田街特有の静けさを引き立てています。
地元の住民が力を合わせ守ってきた老樹は、近隣の大安森林公園と共に緑の景観を果てしなく広げています。龍安里の洪秋甲里長は「移動経路がまだはっきりしないズグロミゾゴイがエサを求めて大安森林公園から青田街に飛んでいったことがあります」と話しました。ゴシキドリやカノコバトもこのエリアでよく羽を休めています。青田街では鮮やかな赤い花を咲かせるホウオウボクの下でゆったりとした気分を味わえるほか、住民が植え、木にたくさん実ったスターフルーツ、ドラゴンフルーツからは、緑のある生活の実践が見て取れます。
水花園有機農夫市集
「新鮮」をテイクアウト
公館の自来水園区では、毎週土曜日午前10 時から午後5 時に有機農家たちが水花園に楽しげにブースを並べています。色とりどりの新鮮な青果を見ると気持ちも明るくなってしまいます。苗栗県造橋郷から来たある農家は、ブースに新鮮なキュウリ、オクラ、ジュウロクササゲといった青果を並べています。栽培を通じて得た知識を市民と分かち合っている様子がうかがえ、有機農業に対する熱い思いが言葉に表れています。別のブースでは遠い屏東県高樹郷から来た果物農家がパイナップル、ドラゴンフルーツ、パパイヤ、新鮮なフルーツで作ったおいしいジャムを並べており、お客さんに旬の最高の美味を届けようとこだわっています。

▲ 農家が市民と環境保全型農業の楽しさを分かち合っています。(写真/施純泰)
水花園では買い出しを思う存分楽しめるほか、ゼロから育て上げる有機農業の苦労と楽しさを知ったり、生態系を大切にし、この大地を愛し、一生懸命健康な食材を作ろうとする農家のこだわりを感じることができます。
宝蔵巌国際芸術村
「食べられる景観」づくり
参拝客でにぎわう宝蔵巌寺を抜けた先は芸術村エリアになっています。緩やかにくねった坂を探検していると、アートの息吹を感じたり、一枚一枚の畦に囲まれた生態農園の元気な姿を一望することができます。

▲ 宝蔵巌の生態農園は台風の被害を受けましたが、今では満ち溢れる生命力を取り戻しています。(写真/游姿穎)
宝蔵巌文化村協会は、「可食地景(食べられる景観)」づくりに取り組み、アーティストがデザインし住民が世話をする生態農園の野菜と果樹を景観として、地域の共食文化と融合したエコ、アート、コミュニティーが共生する集落にしたと説明しました。しかし、昨年の台風13 号(ソウデロア)で大きな被害を受け、8 カ月かけてようやく修復できました。今年4 月は台湾大学附属幼稚園の園児たちを招いて一緒に種をまき、今ではヘチマ、ヨウサイ、サツマイモの葉など夏野菜が元気に育っています。
ここでは農園を見学できるほか、道に沿って宝蔵巌のふもとで新店渓の河畔に隣接する永福公園まで散歩することもできます。公園内には水辺の生態回廊があり、ここでは夏に白い花を輝かせるゲットウやハナシュクシャを鑑賞でき、宝蔵巌を仰ぎ見る絶好の撮影スポットでもあります。
富陽自然生態公園:MRT 麟光駅1 番出口から徒歩5 分。
青田街:MRT 古亭駅2 番出口からYouBike で大安森林公園方向へ。
水花園有機農夫市集:MRT 公館駅4 番出口から思源街方向へ徒歩6 分。
宝蔵巌国際芸術村:MRT 公館駅1 番出口から汀州路方向へ徒歩23 分。

▲(写真/游姿穎)
おいしい地場食材:
IOU ライスマーケットに実験キッチン
行政院客家委員会の羅文嘉元主任委員は田舎に戻り農業を営むようになってから、瑞安街の「我愛你学田市集」(IOU ライスマーケット)2階に実験厨房をオープンしました。志を同じくする仏ル・コルドン・ブルー卒の蘇彦彰氏を料理長として招き、台湾の地元食材を新たな方法で表現し、味付けや調理を抑え食材本来の味を残した料理を提供しています。
店長の余星輝さんは、店では季節に合わせてメニューを変えていると説明します。看板メニューの焼き野菜は彩り豊かで、食欲をそそります。アヒル油で揚げたポテトフライは、自ら精製した宜蘭県のチェリーバレー種アヒル「桜桃鴨」の油を使用しており、カリカリとした食感です。葛瑪蘭黒豚ステーキは宜蘭で育てたバークシャー種黒豚を使用しており、肉質はみずみずしくて甘く、柔らかい食感で、毎月の提供できる量には限りがあります。お客さんは1 階の「小農マーケット」で食材を買ったり、隣の「水牛書店」で良書を手にすることもできます。「書と蔬」(本と野菜。「書」と「蔬」は中国語で同音 )の融合からは大地と人への心遣いが十分に伝わってきます。
www.buffalo1966.tw/iloveyourice
瑞安街224 号
(02)2755-7392
自然と隣り合う静かな街
文 _ 陳婉箐
写真 _ 施純泰、呉金石、游姿穎
時間ができたら台北の緑を感じる旅に出掛けましょう。早朝は富陽自然生態公園に生い茂る樹木たちと一緒になって呼吸し、午後はのんびりYouBike や徒歩で住宅街「青田街」の緑陰のある路地をめぐり、昔ながらの建物を訪ねましょう。その後は自来水園区(タイペイウォーターパーク)の水花園有機農夫市集(ウォーターガーデン・オーガニックファーマーズマーケット)で1 週間分の食材の買い出しにいきましょう。日中の暑さがひいた夜は宝蔵巌国際芸術村で宝探しに興じるのも楽しいものです。
▲ 青田街は緑樹が木陰をつくり、頭上に延々と続く緑の景観を広げています。(写真/施純泰)
富陽自然生態公園
富陽の三銃士に会おう
富陽自然生態公園に向かうと、数分前までにぎやかなMRT の駅近くを歩いていたと思ったら、いつの間にか緑生い茂る森林の中に身を置いているという嬉しい驚きが体験できます。敷地3.8 ヘクタールの同公園はもともと軍の弾薬庫でした。長い間規制によって破壊を免れたため、市街地では珍しく低海抜の森林が残されており、まるでこの世の桃源郷のようです。
▲ 富陽自然生態公園の至る所で小動物が見られます。(写真/施純泰)
公園内には300 種余りの植物、10 数種以上の保護対象生物が生息しています。荒野保護協会によると、夏はビワハゴロモがナンキンハゼの樹上で産卵するため、ビワハゴロモを観察する絶好の時期です。セミを主食とするスインホーキノボリトカゲもこの時期によく見られる爬虫類で、「スインホーキノボリトカゲが腕立て伏せの動きをしているときは『私の縄張りに入るな』と警告しているんです」とのことです。
「富陽三銃士」と呼ばれ、木の梢にひらりと現れるタイワンゴシキドリ、メジロ、シロガシラクロヒヨドリの姿も見ることができます。この緑の宝庫を堪能したいなら、インターネットの事前申し込みで毎月第2 土曜日午前の無料ガイドツアーに参加することができます。
緑のトンネル「青田街」
青田街をめぐるには自転車か徒歩がベストです。ここはかつて台北帝国大学(現台湾大学)教授の宿舎エリアでした。学者たちが植えたフウ、ボダイジュ、オガタマノキ、パンノキ、ショウナンボク、ダイオウヤシの木が頭上に延々と続く緑の景観を成し、その豊かな生態系から鳥類が巣を作りにやってくるため、一年中鳥の声が響いています。人、レトロな建築、老樹の調和と共生が青田街特有の静けさを引き立てています。
地元の住民が力を合わせ守ってきた老樹は、近隣の大安森林公園と共に緑の景観を果てしなく広げています。龍安里の洪秋甲里長は「移動経路がまだはっきりしないズグロミゾゴイがエサを求めて大安森林公園から青田街に飛んでいったことがあります」と話しました。ゴシキドリやカノコバトもこのエリアでよく羽を休めています。青田街では鮮やかな赤い花を咲かせるホウオウボクの下でゆったりとした気分を味わえるほか、住民が植え、木にたくさん実ったスターフルーツ、ドラゴンフルーツからは、緑のある生活の実践が見て取れます。
水花園有機農夫市集
「新鮮」をテイクアウト
公館の自来水園区では、毎週土曜日午前10 時から午後5 時に有機農家たちが水花園に楽しげにブースを並べています。色とりどりの新鮮な青果を見ると気持ちも明るくなってしまいます。苗栗県造橋郷から来たある農家は、ブースに新鮮なキュウリ、オクラ、ジュウロクササゲといった青果を並べています。栽培を通じて得た知識を市民と分かち合っている様子がうかがえ、有機農業に対する熱い思いが言葉に表れています。別のブースでは遠い屏東県高樹郷から来た果物農家がパイナップル、ドラゴンフルーツ、パパイヤ、新鮮なフルーツで作ったおいしいジャムを並べており、お客さんに旬の最高の美味を届けようとこだわっています。
▲ 農家が市民と環境保全型農業の楽しさを分かち合っています。(写真/施純泰)
水花園では買い出しを思う存分楽しめるほか、ゼロから育て上げる有機農業の苦労と楽しさを知ったり、生態系を大切にし、この大地を愛し、一生懸命健康な食材を作ろうとする農家のこだわりを感じることができます。
宝蔵巌国際芸術村
「食べられる景観」づくり
参拝客でにぎわう宝蔵巌寺を抜けた先は芸術村エリアになっています。緩やかにくねった坂を探検していると、アートの息吹を感じたり、一枚一枚の畦に囲まれた生態農園の元気な姿を一望することができます。
▲ 宝蔵巌の生態農園は台風の被害を受けましたが、今では満ち溢れる生命力を取り戻しています。(写真/游姿穎)
宝蔵巌文化村協会は、「可食地景(食べられる景観)」づくりに取り組み、アーティストがデザインし住民が世話をする生態農園の野菜と果樹を景観として、地域の共食文化と融合したエコ、アート、コミュニティーが共生する集落にしたと説明しました。しかし、昨年の台風13 号(ソウデロア)で大きな被害を受け、8 カ月かけてようやく修復できました。今年4 月は台湾大学附属幼稚園の園児たちを招いて一緒に種をまき、今ではヘチマ、ヨウサイ、サツマイモの葉など夏野菜が元気に育っています。
ここでは農園を見学できるほか、道に沿って宝蔵巌のふもとで新店渓の河畔に隣接する永福公園まで散歩することもできます。公園内には水辺の生態回廊があり、ここでは夏に白い花を輝かせるゲットウやハナシュクシャを鑑賞でき、宝蔵巌を仰ぎ見る絶好の撮影スポットでもあります。
富陽自然生態公園:MRT 麟光駅1 番出口から徒歩5 分。
青田街:MRT 古亭駅2 番出口からYouBike で大安森林公園方向へ。
水花園有機農夫市集:MRT 公館駅4 番出口から思源街方向へ徒歩6 分。
宝蔵巌国際芸術村:MRT 公館駅1 番出口から汀州路方向へ徒歩23 分。
▲(写真/游姿穎)
おいしい地場食材:
IOU ライスマーケットに実験キッチン
行政院客家委員会の羅文嘉元主任委員は田舎に戻り農業を営むようになってから、瑞安街の「我愛你学田市集」(IOU ライスマーケット)2階に実験厨房をオープンしました。志を同じくする仏ル・コルドン・ブルー卒の蘇彦彰氏を料理長として招き、台湾の地元食材を新たな方法で表現し、味付けや調理を抑え食材本来の味を残した料理を提供しています。
店長の余星輝さんは、店では季節に合わせてメニューを変えていると説明します。看板メニューの焼き野菜は彩り豊かで、食欲をそそります。アヒル油で揚げたポテトフライは、自ら精製した宜蘭県のチェリーバレー種アヒル「桜桃鴨」の油を使用しており、カリカリとした食感です。葛瑪蘭黒豚ステーキは宜蘭で育てたバークシャー種黒豚を使用しており、肉質はみずみずしくて甘く、柔らかい食感で、毎月の提供できる量には限りがあります。お客さんは1 階の「小農マーケット」で食材を買ったり、隣の「水牛書店」で良書を手にすることもできます。「書と蔬」(本と野菜。「書」と「蔬」は中国語で同音 )の融合からは大地と人への心遣いが十分に伝わってきます。
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瑞安街224 号
(02)2755-7392
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